どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

 夢のゆくえ

2009-07-16 01:33:08 | 短編小説
 翔太はその夜ふしぎな夢をみた。  夢の中で、彼は二階の子供部屋の窓辺に立っていた。  丘の上の二階家だから、下を走る国道からは三階建て以上に見える。  その部屋の大きなガラス窓に手を当てて、翔太は青黒くひろがる海をみつめていた。  堤防の向こうは片瀬海岸だ。  丘の上から見下ろす浜辺を、静かな時間が流れていた。  夢とわかっているのに、翔太を包む空気の感触はやわらかかった。普段とあまり変わってい . . . 本文を読む
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