どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

(超短編シリーズ)03 『緑の闇』

2009-08-17 03:40:11 | 短編小説
      (緑の闇)      霧男は、自分の思いに気づいた瞬間、居ても立ってもいられない焦燥を覚えた。  十七歳になった秋のことだった。  兄嫁の後ろ姿を見ると、家の中でも山仕事の最中でも息苦しくなるのだ。  長男の雲雄とは、ちょうど十歳年が離れている。  去年長男のもとへ嫁に来た花余とは五歳の隔たりがある  花余が来たことで、霧男の心は落ち着きを失くしてしまった。  (なんで、こんな山 . . . 本文を読む
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