どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

(超短編シリーズ)24 『二匹の猿とヒヨドリと』

2010-02-15 02:35:19 | 短編小説
     (二匹の猿とヒヨドリと)       藤巻が神楽坂で働いていたころ、職場に近い築土八幡神社の境内で、猿を彫りこんだ珍しい石塔に見惚れたことがある。  二匹の猿が戯れているような図柄で、猿田彦神を祭る庚申塚の一つとして知られていた。  普通、庚申塔は「庚申」と文字で刻むか、「見ざる、聞かざる、言わざる」を象る三匹の猿の図を配することが多いが、この神社のものは違っていた。   . . . 本文を読む
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