どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

細身のジャック(11)

2010-10-10 03:02:10 | 連載小説
 三越裏にある民芸喫茶『青蛾』で夕子が漏らした一言は、こらえていたものが彼女の意思を無視してチョロリとこぼれ出た感じだった。  (やっぱり・・・・)  正夫は、心の中でうなずいた。  ときどき勝れない表情を見せる夕子の様子から、急には晴れない気がかりがあることに気づいていた。  ただ、重たい問題というのが何なのか、それに首を突っ込んだことでどんな状況に陥っているのか、迂闊に立ち入るのを躊 . . . 本文を読む
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