どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

思い出の短編小説『眼の風邪』(全編)

2022-07-25 00:06:19 | 短編小説
「当時三美人 冨本豊ひな 難波屋きた 高しまひさ」 喜多川歌麿 寛政5年頃(1793)    (浮世絵美術館蔵・ウェブ画像)より    陣内眼科医院の待合室は、花粉症で悩む患者で溢れかえっていた。 毎年この時期になると患者が増えるのは仕方がないのだが、院長の陣内はいつにも増してあからさまな仏頂面を崩さなかった。 診療報酬が伸びるからといって単純に喜ぶ男ではないから、そのこと自体 . . . 本文を読む
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