初物
モロッコいんげんの初物を今日収穫した。
種豆さえ蒔いておけば誰にでもできる丈夫な作物だから、不精な男でも毎年欠かさずつくっている。
五月に蒔いて、二ヶ月半でもう食べられる。
輪作に気をつけることと、蔓を這わせるサオを立ててやるぐらいで、ほとんど手間がかからないから続けられる。
五つばかり採って、味噌汁の具にした。
豆がまだ膨らむ前の柔らかい莢が歯にあたる。筋もなく、口の中でとろっと溶けるようだ。
この時期だけの特別の計らいにちがいない。
誰の計らいとは言い切れないが、自然の仕組みを作り維持してきたたくさんの参加者の総意だろう。
雨、霜、霧、風、雷、そして太陽。やはり太陽が親分にちがいない。
それに人の営みが加わる。専業の農業従事者だけでなく、にわか畑作人にもちゃんと分け前をくれる。
同じ日、10キロほど離れた村落の山道をクルマで走っていたら、目の前の道路をニホンカモシカが横切っていった。
右手の急斜面の森から、左手のなだらかな林に向けて。
一瞬立ち止まったので、こちらもクルマを停めたが、振り返りつつ悠然と下草の陰に消えた。
林に続く畑には、玉蜀黍と花豆が栽培されていた。
カモシカの狙いは、おそらくこのあたりだろう。
待ちきれないのか、偵察に来たのか。収穫の時期にはまだ早い気がするのだが・・・・。
すぐにクルマを発進させたので、ニホンカモシカが初物にありついたかどうかは分からない。
モロッコさやいんげん・・・美味しそう!
目の前を横切る鹿・・・会ってみたーい!
いまの時代には贅沢な生活していますね。
当地埼玉は今日33度。アチー。
知恵熱おやじ
そんな田舎暮らしが偲ばれます。
しかも、モロッコいんげんとは! ルーツは北アフリカでしょうか。先日、スーパーで「伊元」を見つけました。なんだ、いんげんのことか。でも、この書き方、どこか凝ってるようでした。本来は「隠元豆」でしょうに。
「どうぶつ物語」としては、そこにニホンカモシカを噛ませたのも、おつです。筆者の目線がやさしいそうです。