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どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

どうぶつ・ティータイム(214) 『茗荷のアイデンティティー』

2018-09-04 12:10:34 | エッセイ

 

      茗荷

 

 まずは思ってもみないミョウガ発見の画像から。

 数日前、ジャガイモを掘ろうかもう少し待とうかと迷っていた時、畑の隅の密生した植物の足元を見ると、なにか白っぽいリボンのようなものがピロピロと生えていた。

 おやっと思って覗き込んでみると、土を持ち上げるようにしてミョウガが頭をもたげていた。

 (おおっ、こいつやっぱりミョウガだったのか)

 思ってもみないとは書いたが、実は「ミョウガかもしれない」と考えたことはあったのである。

 可能性は四つ。生姜か、茗荷か、菊芋か、名も知らぬ植物か。

 いろいろ調べた結果、初めて知った『菊芋』に思いがいってしまった。

 たまたま持っていた健康雑誌の特集で、それが華々しく取り上げられていたものだから、期待が先行してしまったとも言える。

 

 要はこの篠竹まがいの植物が、判断を迷わせるほど似ているということである。

 秋になって根を掘ってみないと、ショウガだかミョウガだかキクイモだが判別しづらいと思っていた。

 ぼくは何年も前に北軽井沢の畑にミョウガを植えていて、毎年収穫を楽しみにしていたのだが、最近は一度もお目にかかったことがない。

 通年で住んでいないとピロピロの時期に遭遇しないのか、それとも寒冷地での栽培が難しいのか。

 ところが、ここでは旺盛な侵略者のように繁茂していて、ぼくの知っている茗荷の爽やかさとは印象が異なっていたのである。

 半ば頭の引き出しから外しかけていたため、思いがけないと感じたのだろう。

 それだけに喜びもひとしお、「茗荷以外のものじゃないぞ」と外形から証明にかかった。

 

   

 

 奥のほうに頭をのぞかせているのも摘み取って、もう一度勢ぞろいさせた。

 あとは実際に食してみて、彼らの存在証明を確定するつもり。

 (その日のうちに、冷ややっこに添えて香りと食感をを確かめた)

 

 さて、主力候補としてリストの一番目にあった『菊芋』は幻の存在に終わった。

 山の斜面などでも似た植物を見かけるので、あるいは彼らこそが野生の王者なのか。

 根っこは「ひねショウガ」みたいだと説明されているから、地中にカギは隠されている。

 侵略者のようにはびこるというから、よほど精が強いのだろう。

 未知との遭遇がいつの日になるか、期待はますます増すばかり。

 

     ついでに掘っちゃった

 

 もうちょっと待とうかと思っていたジャガイモも、ついでに掘ってしまった。

 小芋が多いが、もともとは剝き捨てた皮が芽を出したものだから文句は言えない。

 手前の芋は、堂々たるメイクイーンだ。

 ミョウガと並べて、秋の収穫を祝った。(ジコマンゾクです)

 以上ささやかな通信でした。

 

   

 

 

 

 

 

 

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