こちらはウィスキーを寝かせておく貯蔵庫。縦にとても長いのです。むかし竹鶴は
「ひとつの貯蔵庫にウィスキーが1億円分、十個あるから10億円の資産だ!」と
言ったそうです。売れたらね。。。しかしひとりでスコットランドに行って飛び込みで
学ばせてもらい、日本で初めて造って、それが最初は全然売れず、いつしか世界
最高峰の賞をもらうようになるなんて、思ってもみなかっただろうなあー。
とっても暗いのですが、カメラのレンズの性能がいいのでこんなふうに写ります^^
この樽を造る職人も、すごい名人級がいないと成り立たないのです。
試飲コーナーでは、ご覧の3種を飲ませて頂きました。以前はどれかひとつを選んだ
記憶があるのですが、親切になったな(^益^)b
これを見ると札幌の繁華街を思い浮かべちゃうなー。
さて下階の奥には有料のテイシュティング・バーがあるのだ♪
最初のブラック・ニッカ。このあたりからニッカはウィスキーブランドとして全国的に
有名になっていきます。
創業者の名前をつけるという大胆な(絶対に失敗できない)この新製品は、まさに
社運をかけて勝負に出たもの。企画宣伝販売の部署と製造の部署がやりあってついに
完成したそうです。それが世界最高峰の評価を受けるようになるとは。。。
栓にもこだわっていて手造りなもんだから、大量生産が出来ず、品薄になったもん
でなおさら評判が高まったとか。
これは石巻の酒場で、ひとりの客が持ってきて飲ませてもらったなあー。そうやって
ひとつひとつ思い出と経験が積み重なっていくのも酒の楽しみです。
テイスティングはいろいろありましたが、やっぱりいいやつに目が行ってしまいます。
一番左は、ワールド・ウィスキー・アワードで世界最高賞を受賞したもの。たしか
英国とアイルランド以外では初めての受賞だったはず。滅多にお目にかかれないぞ^^
真ん中はカフェ式グレーンウィスキー。原材料がとうもろこしで、スチルポットとは
違う製法です。その蒸留機を竹鶴は西宮に作りました。余市がハイランドを意識して、
宮城峡がローランドを意識し、それぞれで造られた原酒をブレンドすることによって
複雑な味わいが出来る。さらに違う原料と製法のグレーンウィスキーを混ぜ合わせると、
またずっと複雑な深みを得ることができる。もちろんものすごい投資が必要なのですが、
竹鶴はひたすら理想を追い求めたのです。帯広のバーテンダーさんは「お坊っちゃん
だった」と言いましたが、俺は芸術家だったのではないかと思っています。まあ
どちらにせよ、経費や販売利益などといった世事にはこだわらず、自分の理想と夢の
実現にまっしぐらだったのでしょう。
右のシングルカスク10年は、数々の受賞歴があり、いまググるとすんごい値段に
なっています。この3つを飲み比べると、余市が一番素晴らしい味わいだったです。
試飲とはいえ、まだ昼飯前だっていうのに6杯も飲んだ。昨夜は6時間飲んで午前様
だったのに、ガンバレ俺の肝臓w
ランドーの冒険記45 ランドー、まだ見ていない松前半島を見に行く
荷物を預かってもらったヘンソン氏のところに行ってトランクを開け、着替えを
済ますと変な気分だった。そして翌朝早く、北海道最後の旅である江差に向かって
出発したのだった。函館まで戻ってきて蝦夷の旅は終わりかと思いきや、まだ見て
いない函館から南西部、松前半島をぐるりと回る旅に出るのである。ランドーには
蝦夷地を隈なく回ってやろうという熱意があったのだ。
道はなだらかで馬車の旅だった。江差は北海道の中でも古い町のひとつで、目の前
には小さな細長い島がある(かもめ島。いまはつながっている)。そこにはお宝に
まつわる素晴らしい話が残っている。港は常に暴風にさらされているので危険だ。
きっと潮の関係だろう。沖合には奥尻島がある。北上して蝦夷地の最西端である
太田岬までやってくる。それ以上は北に行けなかったので、江差に戻って南の松前に
向かった。(それ以上北に行けば、岩内から南下したときに、そこからは進め
なかった寿都である)