さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

中世の街シエナ ~イタリア紀行17

2010年10月23日 | イタリア


 フィレンツェからバスに乗り、トスカーナ地方に広がる丘を越えてシエナにやってきた。(ちなみにバスのチケットを買うときは、「スィエナ」と発音しないといけないゾ)
  城壁に囲まれているこじんまりした街だが、これでも中世には通商路の要所として発展した自治都市である。フィレンツェの赤味がかったレンガ色に対して、ここはくすんだ茶色に統一された美しい街だ。
 街なかは狭い路地が入り組んでいて、車の姿をほとんど見ない。だからとても静かだ。ゆるやかな弧を描く街路は、建物に挟まれるように続いている。道の両脇に建物が建っているというよりは、逆に道の流れが長い時を経て建物を侵食し、深い谷底のせせらぎを作ったように感じられる。切り立った壁のような家の窓が道の左右、そして上に向って沢山ならんでおり、人々の気配に満ちている。この生活臭さが、私の生まれ育った下町の空気を思い出させる。
 ローマはあまりにも大きい都会で、フィレンツェも車の多い観光都市だ。やはり中世の趣きを満喫するには、このぐらいの規模の街に滞在すべきだ。街全体が古美術品と言っても過言ではない。



建物が両側から迫ってくるようなシエナの街路。



大聖堂。この日は日曜だったので、多くの信者が礼拝に来ていました。
大きな礼拝堂のなかいっぱいに鳴り響くパイプオルガンの音。
その荘厳な雰囲気に、キリスト信者でない私もついつい頭を下げる気持ちにさせられてしまいます。



このくすんだレンガ色に統一された美しい街シエナ。
城壁の外には、トスカーナの平原と丘が地平線までずっと続いています。


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