勝浦の朝を迎えました。列車の時間まで、しばし海辺を散策。台風が通過しているので、
海が荒れていますね。
おう、複線になった記念の碑が立っておる。
日差しが強い。なんでこんなホームのはじっこの、日当たりの良い所に立っているかと
言いますと、こういう田舎の駅では、はずれに灰皿があったりするんだよ。冬の木枯らし
が吹きすさぶとき、夏の灼熱の太陽が照りつけるとき、雨ニモマケズ、風ニモマケズ、
煙草を吸うのがスモ~カ~♪
ところで、あの旧式の味わいある待合室の中は日陰だけれど、すんごく暑いぞw
というわけで、外房線をしばらく北上して大原に到着。ここでローカル線のいすみ鉄道に
乗り換えるのです。
駅からすぐの所に肉屋があり、その隣が食堂になっています。これが調べてみると、
「孤独のグルメ」のテレビ撮影に使われたとのことで大変な話題になったとか。
ネットの口コミでは、こんな寂れた田舎の食堂が超満員になり、外に行列ができた
とかいって、その画像がアップされている。ランチがあまりにも忙しくなり、夜の
営業をやめるようになってしまったとか。
並んでまで食べようとは思いませんが、偵察に来てみると開いている。だってまだ
10:30ですぜ。フツー早くても11:00ぐらいの開店でしょうが、もしかすると
あまりの混み具合に時間を早めたとか?ま、こちとらホテルは素泊まりで朝から腹が
減っているので、開いているなら入ってみましょう。
おお、昭和の風情。客は誰もいない。こりゃいいねェ。
混んでいるときには、ぎっしり相席なんだろうけれど、いまは贅沢にも俺ひとり^^
左の鏡も古いですが、上の窓をご覧ください。波打っているんです。古くていいねえ。
ひとり優雅にビールを開ける。つまみにハムが出てきた。肉屋が営業しているだけに
その味もイイ。
聞いたことがあるのですが、テレビなどで紹介されると怒涛の如く人が押し寄せ、
連日長い行列ができたりする。すると常連さんは来なくなる。テレビの影響は何か月も
続くことはないから、そういう店は急に客足が遠のいたりするとか。もしかすると、
この店もそんな感じでブームが去った時期なのかしら?
「ブタ肉塩焼きライス」を注文しました。ううむ、確かに肉屋併設だけあり、ごっつい
肉が出てきました。こりゃ旨い。
ネットで「孤独のグルメ」、主人公がこの食堂に来る回を見ることができました。
にゃんと俺と同じものを注文していました^^; おっさんがひとりでひたすら旨そうに
モリモリ食べるだけの番組。「おお、これだよコレ!」とかいうモノローグがずっと
続く。長い長いCMを見ているよう。しかも「グルメ」が好きな連中が見る番組なんだ
から、効果は絶大だろう。でも俺は混んだ店や行列に並ぶのは嫌だなあ。
さて居酒屋の開店時間。夏なので、まだ明るい。「さわ」ときたら「ほまれさん」ですな。
こちらひとりなので、カウンター席へ。テーブル席のほうには家族連れ。ここの魚は
旨いと評判で、次々に客が入ってくる。マスターはその度に「子供は何人?」と聞く。
居酒屋ではあまりない質問だが、あとでわかった。ここは海辺のリゾート地。夏には
子連れがたくさんやってきて、夜の食事には居酒屋に来るんだなー。なのでジジーや
おっさんばかりのことが多い居酒屋も、黄色い声で今宵はちょっと明るく賑やか^^
房総料理の定番は、こちらアジのなめろう。日本酒にぴったりなのである。アジは
それほど高くなく、スーパーで氷水のなかから「いかがですか」と死んだ目で
こちらを見つめていることがある。せっせと皮をむいて小骨を取り、それをたたいて
ネギ、あれば生姜や味噌を混ぜればできあがり。大好きだが手間がかかる。なので
こうやってドン、と出てくると「なんて贅沢なの♪」と感動するのである。
たくさんの種類の魚があり、それを刺身、揚げ物、焼き物、煮物と選んで注文できる。
「太陽王」ルイ14世に聞いてみたいですね。「あんた今晩なにを食べたの?」と。
「えんざら」という聞いたことのない魚があったので、マスターに聞いてみる。
「ど~いう魚ですかね」と聞いたって、あまり有益な回答は戻ってくるはずもない。
なので好きな「かさご」を揚げてください、と言ったら、マスターは「フッ、ふつう
だな^^」とつぶやく。そうだよねえ、テッパンで王道だよねえ!わかったよっ。
「かさごやめた!えんざらにして!」と急いで訂正する。
んで出てきたのが上の画像。デカイ魚なんだな。旨かったぞ。「ど~いう味」だって?
そりゃ食べてみないとわからんだろう。
さっきも地酒だったが、こちらもここの酒「腰古井」。聞いたことなかったね。
この店、どうやら女将さんが始めて、息子さんがいまや切り盛りをしているらしい。
というわけで、旦那さんはほんわかと店を手伝っている感じである。ちょっといい感じで
ヒマそうなのである。なので忙しい息子さんではなく、カウンターでお茶を飲んでいる
旦那さんに料理を聞いてみた。「ながらみ」とか「しったか」を聞いてみると、どちらも
小さい巻貝であるとか。「しったか」のほうがこのエリアで採れたものらしいから、
それを注文した。楊枝でクリクリと回しながら身を出して食べるのであった。
すっかり酔っ払って次のバーへ繰り出す。2軒目にバーに行くときは、あまり飲み
過ぎないようにしなければ、と思っているのにいつもイカンなーw
酔って次の居酒屋に入るのはいいけれど、バーに酔って入るのはちと恥ずかしいのは
なんでかなー。ちょっとヲトナな場所だから?
テーブル席にはかわいい少年少女とお母さんが夕ご飯を食べていました。そのお母さん、
カウンターの中に入って食器を片づける。ありり?と思って聞いてみたら、やはり
マスターの妻子でした^^; ウィスキーの宣伝であるように、菅野美穂とか井川遥
みたいな美女が「あら、いらっしゃい♪」なんてのも憧れるが(いままで何十軒と
バーに行ったけど、一回もないよ!)、5歳、7歳の子供たち&お母さんと同じ
テーブルで飲むのもいいなー。井川遥以上にありえんだろけどなー。
向こうに見えた宮城峡があったので2杯目に。やはり酒というのは、行ったところを
思い出しながら飲むのがいい。一緒に飲んだ女性を思い出しながら飲むほうがいい
だろうが、そうだな、訪れた土地の地酒を飲んだ経験は国内・海外と数え切れない
ほどだが、一緒に飲んだ女性の思い出は…。
やめとくぜ。正直に言ったとしても、盛った数字で頑張ったにしても、どちらもなあ^^;
この夜は、いい居酒屋といいバーで、かなり飲み過ぎてしまいました。あまりに
酔っ払うと、バタンと寝てしまったり、寝られないほどにグラングラン頭が回ります。
そして深夜に喉が渇いて目が覚める。
この日も記憶を失って、深夜未明に若干の頭痛と共に目が覚めた。「いまは何時だ?」
と薄明りのなかで時計を見ると、針がグルグル回っている!
長針が普段の秒針よりも早く、グルグルグルグル回っている。回っているのは俺の
頭だよね?時計の針が、全部グルグル回ってる。タイムスリップするの?失恋して
ここで自殺した美女が、青白い顔して出てくるの?
時計が写っている画像は翌朝です。目が覚めて、この時計の針が深夜にグルグル回って
いるのを思い出して見てみました。普通に現在時刻を示していました。「強制時刻
合わせ」というボタンがあったので、押してみたらグルグルしました。ううむ、どうやら
設定した時刻に、電波で時刻合わせをするらしい。その短い瞬間に見たわけだな。
未来に行っちゃったり、青白い美女と話ができたりしたらよかったのになー。
タイトルとは裏腹に、昼間のホテル三日月です。八幡岬へは自転車だったので、思わず
時間が余り、外は35度越えの暑さなので、こちらに立ち寄ったのです。これだけデカ
ければ、「宿泊の方ですか」なんて声をかけられることもなかろうし、涼しいラウンジも
あるだろう。もしかするとマスゾエさん一家に会えるかもしれぬ。
おお、リゾート・ホテ~ル。目の前がビーチだから、浮き輪も売っている。小さい
子供と来たら楽しいだろなー。
海の見える広いラウンジには、初老のおばさまたちばかり。そぉ~か、子連れの家族は
砂浜に出ており、日焼けが嫌でおばさん、ばーさんたちは涼しい所に残るんだな。
あまりに熱かったので、コーヒーはやめてレモンスカッシュでも飲もうかと考える。
しかし、アロハを来た学生アルバイトのお嬢さんたちはどこかへ行ってしまった。。。
俺が座ったの、見たよね?バイトの時間は終わったの?でもいいです。水を飲んで、
涼しい所に座ってズラリと並んだ新聞を読ませて頂きます(^益^)w
金を出して読む気にはなれないサンケイ新聞の、サクライヨシコさんの極右的怒りに
満ちた評論や、アヴェシンゾーが国会で「読め」と言ったヨミウリ新聞などを楽しんだ。
というわけでホテルのチェックインタイムが近づいた。海のリゾート地である勝浦は、
さすがに夏場は賑やかだ。たまに人が歩いている。
床屋とかだったのかしら。こういう建物を見ると、安く買えないかな~と考えます。
二階の飛び出たところは物置?あまり物を置くと落ちそう。窓の手すりがナイスカーブ。
さてホテルの部屋は、嬉しい畳。いいよねー!ちなみに当然使えるはずだと思っていた
Wifiが使えないことに驚く。今どきなあ。。。 まあこちらも今どきスマホじゃねえん
だけどね^^;
B&Bというホテルなのに、ここは素泊まりです。B&Bって、「ベッド・アンド・
ブレックファスト」なんだから、「朝飯ついてるよ」という名前なんですけどね。。。
でも、お風呂が鉱泉で24時間入浴可能です。これはとても嬉しい。名前を温泉に
変えればいいのに。。。
そのお風呂に入ったら、シャワーの水圧が今まで経験したことのない恐ろしい強さでした。
隣が火事になったら活躍するでしょう。ジャミラが来ても大丈夫です。でかいボタンを
ドン、と押すと一定時間噴射するタイプなので、勢いを調整することはできない。
体に当てると痛い。洗った陰毛の石鹸を流すときは、いちど力を入れた腹筋で受け止め、
流れ落ちる形で洗わなければならない。直接当てようものならw(゚益゚)w
頭のシャンプーを流すとき、「あっという間にすすげるな^^」なんて悠長なことを
言っているレベルではない。頭皮がズドドドド!と爆撃をくらったような衝撃で波打つ。
ぐはー、禿げるってコレ!
そおだ!桶にためたやつで流せばいいんだ!と、ひらめいたアイデアにひとり口がほころぶ。
しかし「俺って頭いいな^^」と自己満足の陶酔時間も短かった。下に出るカランのボタンを
押したら、おっそろしい勢いでお湯が噴射し、ぜんぶ吹っ飛んでゆく。桶に全然たまらない
のだ!壮絶だよ、これ。タオルで抑え、なんとかがんばる。あとで見たら、体にたくさん
抜けた毛がついていました。70本くらいはいっちまったな。。。
フヒー。缶ビールを飲みながら、夜の居酒屋が開店するのを待つ。
八幡岬公園です。このすぐ近くには勝浦城址があります。こんなはずれの岬にお城が
あったのですなあ。それにしても太平洋を望むこの景色は壮大。
静かな山の中に暮らすのもいいけれど、こんな海の見えるところもいいですね。
この勝浦にはセカンドハウスも沢山あるようです。
「お万様」だって。17歳で徳川家康の側室となり、水戸光圀の祖母だったとか。
岩礁に鳥居があります。また自転車に乗って岬を回ります。
徒歩だと嫌なトンネルも、自転車なら一瞬で通過。
徒歩だと2時間で岬を往復、と考えていましたが、自転車を借りられたので遠くまで
ぐるっと回ることにしました。電動なので坂道もぐんぐん登って進みます^^
勝浦灯台。ここから見る日の出は、県内随一の美しさだそうです。そんな時間に
来ることはないでしょう。。。
こんな景色を見られただけでも、わざわざ自転車を借りて回ってきたかいがあったと
いうものです。
官軍塚。
時は幕末、函館の五稜郭に立てこもった幕臣を討伐するため、官軍を乗せた米国船
ハーマン号は品川沖を出航しましたが、ここで難破。地元民は村をあげて決死的救助に
あたりましたが、200人以上が溺死したそうです。お気の毒様です。。。
バスは勝浦に到着しました。このときは曇っていますが、晴れたり曇ったり。そして
ものすごく暑い。35度は超えていますね。灼熱地獄で息も絶え絶え歩く。
外房線は複線なのですね。むかしよく乗った内房線は単線だったような。まあどちらも
ローカル線です。道路も狭い片道一車線なので、むかしは夏などはずっと混雑して
いました。いまはだいぶ高速もできてアクセスが早くなったようです。
駅前から少しはずれた住宅街に、お食事処「欅」があります。ほとんど地元の人しか
いかないようなエリアにあります。いまはネット検索で「勝浦」「ランチ」なんて
キーワードを入れれば、食べ物の写真や営業時間、地図も出るので便利ですよねー。
というわけで、こちら珍しい「タンタン焼きそば」です。あんかけ風で担々麺の味。
勝浦は、なぜかあちこちに「担々麺」なのです。ここの食堂もメニューには担々麺、
坦々つけ麺、そしてこの坦々焼きそばのラインアップ。私のような風来坊がふらりと
立ち寄ることは少なく、ほぼ常連でもっているようなこの店、タンタンづくしで
飽きられないのかなぁ。このとき、客は他に地元の労働者が数人でした。
さてさて、ホテルのチェックインまでは時間があるので、八幡岬に行って海でも
眺めようかと考えました。歩くと1時間はかからないくらい?しかし気温は高く、
じりじりする日差しのなかを歩くとオーブンのなかにいるようで、日陰を選んで
歩きたいほど。これで往復2時間を歩くのは無理かもしれない。
常に歩く俺のポリシーに反するが、行きはタクシー?駅前に観光案内所があるので
入ってみました。(建物の中は涼しくて楽だー)するとちょっと先に、レンタサイクル
があるとの情報。それなら楽だな!
行ってみると、マウンテンバイク500円、電動自転車1000円でした。普通なら迷わず
安いほうなんですが、マウンテンバイクだとヘルメットをかぶらなければならないとか。
麦わら帽子ならいいけれど、こんな暑い日にはムレる。なので1000円払う。
電動自転車でよかったー。なにせ山道も通過できる。こんな日差しの中を、坂道を
ヒイコラこいで行ったらたまらんもんなあ。電気の力で坂もスイスイ。佐田岬を
思い出すなあ。
こんな高い所まであっという間。風を切って気持ちがいい。
歩くと1時間の距離は、自転車でスイスイ行けば10分なのだ。ここは八幡岬公園。
だ~れもいません。こんな日差しのなかで遊んでいたら、子供もみんな熱中症になって
しまうでしょう。腕や肩がじりじり暑い。いや、痛い。ジーンズがベタベタとまとわり
ついて歩きにくい。全身に汗がしたたる。
岬の先端に着きました。ありがたいことに日陰があります。荷物を置いて、椅子の上で
靴を脱ぎ、ハンカチで額の汗を拭うとびっしょりになる。しかし風が強いので、ハンカチ
の隅をつまんでバタバタバタとはためかせると、すぐに乾いてゆきました。