続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

1月16日。

2012-01-16 06:32:36 | 日常
 1月16日になると思い出すことがある。
 15日が成人式と決まっていた二十数年前(もうそんなに経つのかという思い・・・)、わたしの仕事先の社長一家は夜逃げをしてしまった。大雪だったその日、もぬけの殻になった作業場に集まった面々、それぞれの損失に肩を落として今後を話し合った。
 
「300万円の保証人になっているけど・・・」とN君。
「今月のローン引き落としが・・」とSさん。
「・・・」みんな意気消沈、言葉を失い、ただストーブを囲んで苦笑いそして長い沈黙。
 わたしも13万円ほどの仕事代がふいになってしまった。

 当時アンモニアコピーの用紙はセットで3万円ほどだったので、「棚にある在庫を貰っていく」と言ったら、律儀な関さんは、
「ちょっと待って、材料屋にも聞いてみないと」とわたしを制した。

 この材料屋も関さんもN君Sさんも・・・みんな古くからの仲間。
「でも、材料屋は、前に夜逃げしたG製版のときにも絡んでいて『300万やるから夜逃げしてくれ』って言った張本人でしょ。今回だって怪しいわ、気を使う必要ないと思うわ」とわたし。(材料屋は金貸しでもあった)


 そして、翌日にはすでに暴力団のような人が中にいて、一歩も近づけなかったとのこと。


 社長さんには成人式を迎えた娘さんがいて、それこそ300万円で誂えた振袖が近所の評判になったらしい。今頃はどうしているかな・・・。友人の結婚式で貰ってきた白いランの花、長いことコップに飾って持たせていた矢先の事。

 1月16日はなんだか切ない。

『城』716。

2012-01-16 05:59:00 | カフカ覚書
「ああ、お内儀さん」と、Kは言った。「あなたは、じつに聡明な見あげた人ですのに、どんなつまらぬことにでも仰天なさるんですね。つまり、わたしは、フリーダのことでクラムと話をしたいとおもっている。ーこれは、べつにそんなとてつもないことではなく、むしろ当たりまえのことなんですよ。

 つまらぬこと/kleingkeit→klan・・・氏族。

☆「ああ」と、Kは言った。「あなた(天の番人)は聡明な尊敬すべき人ですのに、あらゆる氏族にたいしても仰天(心を動かす)なさるんですね。つまり、わたしはフリーダ(平和、自由)のことでクラム(氏族、先祖)を強制的に解放したいと思っている。これはべつにそんなとてつもないことではなく、むしろ当たりまえのことなんですよ。