続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

お姐さん。

2012-06-10 07:00:45 | 日常
 わたしが「お姐さん」と呼んでいる人がいる。近所だけど死角にある住居なので頻繁に会うことはないけれど、それでもバス停やゴミ集積場などで遇えば引き寄せられるように彼女に接近してしまう。

「わたし胃を全部摘出したから、牛乳さえ嚙んで飲むようなの」と言ったのはもう三十年も前。それからは病気もせず仕事に邁進、定年後も介護の仕事に忙しく走り回っている。

「どうしたらそんなに元気なの」と聞いたことがある。
「うーん、そそっかしいんだね。具合が悪いとか考える前に外に出ちゃうからね」と笑った。

 仕事帰りに駅で遇ったことがある。彼女も仕事帰りなのに「まだこれから行くところがある」と言った。
「どこへ?」
「ちょっと、千葉(千葉県)まで。叔母さんの具合が悪いらしいの、だからお見舞いね」
「・・・もう、夕方っていうか夜だよ」
「だから、急いで行かなきゃ。明日も仕事があるからとんぼ返りになるけど、おばあちゃん(母親)が心配しているから顔だけでも見に行かなくちゃぁ」と、言った。

「姐さんと結婚させて下さいよ」と、彼女の母親に頼み込んで一緒になったという旦那さんは一回りも年下。なのにすでに鬼籍に入っているし、お孫さんは成人している。そういう年令である。

 にも拘らず、ひたすら忙しそうに出かけていく。
「わたしを待っている人がいるのよ。」
 介護の仕事をしている彼女、担当の家に着くや、即オムツを替えるらしい。そういうことを厭わない人。
「なんだかんだ言っても、清潔にしてあげれば、機嫌はよくなるの」と言い、「ご指名があれば行かないわけにいかないでしょう」という。

 ごく普通の会話、でもその中には彼女の姐さん気質の優しさと強さが溢れている。

『風の又三郎』346。

2012-06-10 06:52:52 | 宮沢賢治
まもなく、耕助は小指ぐらゐの茶いろなかじかが、横向きになって流れて来たのをつかみましたしそのうしろでは嘉助が、まるで瓜をすするときのやうな声を出しました。

☆恒星の照(光)、詞(ことば)による詐(作りごと)である。
 往/人の死は光として留まる雷(神なり)。
 嘉助(火星)は火の星と推しはかられる。

『城』848。

2012-06-10 06:39:32 | カフカ覚書
「いや、わたしの助手たちなんですがね」と、Kは説明した。「どこで待たせておいたらいいか、わかりませんので。外は寒いし、この部屋じゃ、うるさくてしかたがありません」

 待つ/warten→wert/価値がある。
 外/draussen→drangen/圧迫する、苦しめる、押す。
 寒い/kalt・・・冷酷。
 うるさい/lastig→Last/重荷。
 部屋/zimmer→Thema/テーマ。

☆「わたしの頭脳(思考)です」と、Kは答え、どんな価値があるか分かりませんが、圧迫は(苦しみ)は冷酷であり、このテーマは重荷です」