続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

尊敬。

2012-06-17 07:04:36 | 日常
 植物講習会の帰路、電車の中で目が合った人がいた。
(たしか、一緒の講座に出ていた人・・・雨天のため室内での講義になったけれど、窓外の小道を一人で散策をしていた・・・)

「外にいたでしょう」と言うと、
「だって、雨の中の紫陽花ってすごくきれいでしょう。だから・・」と微笑んだ。

「30日の野比(FW)は、残念だけど行かれないの」
「どうして?」
「三陸のほうにお手伝い、ボランティア」
「ええっ、すごいわ。でも何するの?」
「もう何回も行っているんだけど、それなりにやる事はいっぱいあるの。去年の夏は草取り、秋には・・・秋は寒かったわ、夜なんか5度しかないの、でもね・・・」

 つつましやかな寄付はさせてもらったけど・・・「行ったって足手まといになるだけ」という友人の言葉に肯いたわたし。

「今回は瓦礫処理になると思うわ」と軽く当たり前の風に言う。
「年配者でもやることは沢山あるの、木っ端をまとめれば、若い人が運んでくれるし・・」

 同年輩、少し若いかもしれない。それにしても・・・。
 三月十一日、揺れは感じたし、停電にもなり、息子たちは帰宅困難者と化した。
 大きな惨劇はメディアで知ることになったけれど、「さぁ、行ってお手伝いいたしましょう」という熱意にまで至らなかったわたしは彼女の精神に衝撃を受け、呆然としてしまった。

 尊敬すべき人はごく身近で静かに微笑んでいる。
《人に迷惑をかけないように》を目指している小さなわたし、大きくため息をついたままである。

『城』855。

2012-06-17 06:21:58 | カフカ覚書
 村長は悦に入ったような微笑をうかべて言った。それは、万事は自分の指図から出ているのだが、そうと察しのつくほどの相手はどこにもいまいと言わんばかりの微笑だった。

 悦に入る/selbstzufriedende→selbst zufrieren/凍る。
 einem→ahnden/罰する、報復する。
 微笑/Lachen→Rache/復讐、報復。
 指図/Anordnungen→unordnung/無秩序。

☆「思考(頭脳)」(死への)入門の伝説。自身が凍りつくような報復。すべては存在の無秩序であることにまで遡った報復を推量する人は一人もいない。