続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『宝石』

2015-07-05 06:42:33 | 美術ノート
 宝石はどこにあるの?
 箱の上に男の頭部と鳥の頭部、人間の頭部に等しい鳥の頭部ってかなり巨大である。これほど大きい頭部を持った鳥・・・第一、大空を飛べるのだろうか。人間の頭部が極小な造り物なのか・・・。
 白髪が目立ち始めた男と鳩に酷似した鳥(鳩は体に比べて頭が小さいはずだから、全体はかなり巨大な鳥になる)

 男は感慨深げな眼差しを鳥でない方向へ投げている。(普通は鳥に驚くのではないか)鳥は前方を向いているように見える。
 この対峙は何を意味しているのだろう。
 男を仮に人類とくくれば、鳩に酷似した鳥は、「大家族」をもたらしたハトかもしれない。

 とすれば、伝説・神話の意図がうかがえる。ならば、箱はゼウスがパンドラに持たせた『パンドラの箱』

 女(パンドラ)が我慢ができないで開けた『パンドラの箱』からは、この世のすべての禍(不和・争い・不幸)が放出されたため、慌てて閉めた結果、希望だけが残ったという。
 そのパンドラの箱を、開けてはならじと男の頭部と鳥の頭部が乗せられている図。
 宝石は箱の中の希望。鍵穴はなく丸いポッチの取っ手が付いているだけである(ように見える)。
 簡単に開けることが可能な箱を禁止/タブーとしている。

 箱は木目をさらした木箱である。年代を暗示する木目。(最古の樹木は紀元前のもの、樹齢9950年以上といわれている)


 神話と伝説。逸話を逸話が抑えている。

 言葉の魔術、人の寿命を遥かに超えて生き続ける神話や伝説、信仰の威力。マグリットは平伏驚嘆し、寓話を静観している。希望は宝石である。
 背景は単色であり描かれる景色はない。時間の永続性、特定を由としない永遠の秘密である。


(写真は国立新美術館『マグリット展』図録より)

『銀河鉄道の夜』7。

2015-07-05 06:33:47 | 宮沢賢治
ザネリが前の席からふりかへって、ジョバンニを見てくすっとわらひました。ジョバンニはもうどぎまぎしてまっ赤になってしまひました。先生がまた云ひました。


☆繕(なおして)晰(あきらかにする)と、現れる釈(意味を解き明かす)千(たくさん)の章(文章)を運(めぐらせている)。

『城』2012。

2015-07-05 06:24:19 | カフカ覚書
助教員と言っても、ギーザの授業にはほとんど欠かさず出席し、子供たちにまじって生徒用の長椅子か、むしろ教壇のギーザの足もとかに腰をかけているだけというのが、彼の主な勤務ぶりであった。


☆助教員(空虚の救済)といっても、ギーザ(総体)の逸した荒涼とした小舟の教えであり、子孫に交じって罪の責任を心配していたが、むしろギーザ(総体)を基礎づけることの二重性(空間)にあった。