続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『自然の驚異』

2015-07-23 06:47:12 | 美術ノート
 半人半魚…どこが自然なの?
 ぜんぜん自然ではない半人半魚の存在を描いて『自然の驚異』と題している。


 半人半魚、セイレーンの美しい歌声で航行中の人(船乗り)を惑わし、船を転覆させる。即ち遭難、難破の事故を引き起こす不吉な存在であるセイレーン(半人半魚)。
 半人半魚の二人の姿は石化している、ずっと昔のことであることの暗示。
 沖行く帆船は静かに航行している。

《しかし》
 この絵を見た人の多くは、不吉を予感する。
 セイレーン(半人半魚)・海・航行中の船…この条件をとっさに想起する。
《だから》
 沖行く船はまもなく転覆の危機に遭遇するはずだと、思いを巡らせる。


 語り伝えられる神話の驚異。
 口伝は、まことしやかに時代を越え、世紀を越えて人々の中に浸透していく。明らかに人為的な継承である、にもかかわらず、むしろそれは自然発生的な現象と化している。

 言葉(意味)・・・認識・・・イメージの継続・・・。
 大海原・・・船・・・岩礁へと導く神秘があるとするのなら、それはやっぱりセイレーン(半人半魚/怪物)の仕業に違いない。

 原初の話が風化せずに残存している驚異。この精神の自然な脈絡、この不思議を『自然の驚異』と呼ばずして何としよう。

 マグリットはこの事実に深く感銘を受け、この衝撃を沈黙のうちに提示しているのだと思う。

(写真は国立新美術館『マグリット展』図録より)

『銀河鉄道の夜』25。

2015-07-23 06:37:17 | 宮沢賢治
 そして教室中はしばらく机の蓋をあけたりしめたり本を重ねたりする音がいっぱいでしたがまもなくみんなはきちんと立って礼をすると教室を出ました。


☆教(神仏のおしえ)を質(問いただし)註(解き明かす)記である。
 概(おおむね/大体)翻(作りかえる/形をかえる)。
 自由に隠れた律(きまり)を察(明らかにする/よく見る)。
 教(神仏のおしえ)を悉(ことごとく)推しはかる。

『城』2030。

2015-07-23 06:18:54 | カフカ覚書
いったい、学校の小使いなる者は、教員にとって、ましてやシュヴァルツァーごとき助教員にとっては、じつに重要な存在であって、これを軽蔑して罰せられずにすむ法はない。


☆いったい空虚などは、先祖の空虚にとってシュヴァルツァー(影の人)は、重要な存在であり、軽視していいわけがない。