続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

お盆。

2015-07-12 07:12:34 | 日常
 先祖の霊が現世に帰ってくるというお盆。
 父母を顧みる余裕もなく、この年になってしまった。ふと父の遺した軍艦高雄のガリ版刷り日誌(後に製本)を取り出してみた。
 その日の位置、風向き…あらゆることが丁寧に記され、なかには川柳や詩などの投稿もある。明日の献立の項もあり、カツレツ・ビーフシチュー・カレーライス・グラタンなどの記載が見える。昭和十年はまだ西洋料理が並んでいたらしい。

 二等水兵、若い日の父がそこにいたはずの日誌。笑い話の項には、
 夫「これ二千年前の化石だよ」
 妻「何言っているのよ、今年は千九百三十五年よ。」
 夫「ああ、そうか」
 と、納得してしまう話が載っていた。

 《世界の原理は競争である。だから戦闘態勢は常態なのだ》というような記載もあって、時代のムードを伝えている。
 十余年を船の上で過ごした父、沈没し生存者三名の一人になったこともあるらしい。記念の万年筆を見たことがあるけれど、泳ぎに自信のある者は力尽き果てたが、泳げない父は板切れに摑まっていて救助された由。何が幸いするかは分からない。


 あらゆる出来事は時代の中に圧縮され微塵に砕けて宇宙の塵として消え果てしまう。虚しいか?否、むしろそのことを前提として潔く生きる、それでいいと思う。

 ご先祖様をお迎えする・・・自分にも真摯に向き合いたい。

『銀河鉄道の夜』14。

2015-07-12 06:43:16 | 宮沢賢治
それどこでなくカンパネルラは、その雑誌を読むと、すぐお父さんの書斎から巨きな本をもってきて、ぎんがといふところをひろげ、まっ黒な頁いっぱいに白い点々のある美しい写真を二人でいつまでも見たのでした。


☆造(こしらえる)詞(ことば)は匿(かくしている)。
 諸(もろもろ)再び挙(すべて)は、翻(ひっくりかえる)ことを告げる。
 訣(人と別れる)魄(たましい)は転(うつりかわり)魅(人の心をひきつけて惑わす)。
 赦(罪や過ちを許す)深(奥深い)字の図りごとが現れる。

『城』2019。

2015-07-12 06:29:30 | カフカ覚書
そして、シュヴァルツァーが眼で追っていようがいまいが、そんなことに頓着なくそのはちきれんばかりに豊満な肉体を悠然と運んでいくのであった。


☆シュヴァルツァー(影の人)が、それを見ていようがいまいが、思い上がった団体は静かに変わることのない欺瞞(錯覚)をしていた。