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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『風の声』

2015-07-16 06:43:46 | 美術ノート
 基本的にマグリットの描く球体は『真理』を具現化している。
 そして、その球体に割れ目があるものは、『言葉』を暗示していると思う。

 言葉は深い。
 真実を語ることもあれば、嘘・風言・流言・噂・虚偽と、プラスにもマイナスにも働く。言葉に重力は通用しないから、風のごとく自由に漂流し、時空を欲しいままにする。

 言葉は、愛であり救済であり箴言ともなりうるが、刃と化し人を殺めることも可能な凶器にもなりうる。まさに言葉は力である。

 マグリットは常に考えあぐね答えを探究している、言葉と視覚がどのようなイメージを導き出すのかと。
 言葉や視覚は定着を可能とするが、イメージは不確定であり、各人の生き方やそれまでの情報の積み重ね方によっても差異が出る。
 言葉は、愛ある救済である反面、傷つけ貶める罪過ともなりうる可能性をも含んでいる。美しい言葉に棘がないとは限らない。


 言葉は、支配力・強制力を持ち、統一を果たす力を有している。しかしまた、抵抗し、分散され、戦闘に至る危険をも孕んでいる。
 言葉の魔力・影響力、マグリットはその永続性を凝視する。


 しかしここに三つの巨きな言葉の浮遊を描いたことは、必ずしも三位一体を意味するものではないと確信する。

(写真は『マグリット』㈱美術出版社刊より)

『銀河鉄道の夜』18。

2015-07-16 06:30:17 | 宮沢賢治
つまり私どもも天の川の水のなかに棲んでゐるわけです。そしてその天の川の水のなかから四方を見ると、ちゃうど水が深いほど青く見えるやうに、天の川の底の深く遠いところほど星がたくさん集まって見えしたがって白くぼんやり見えるのですこの模型をごらんなさい。」


☆詞(ことば)を転(ひっくりかえし)潜(ひそむもの)を推しはかり成(なしとげる)。
 展(ひらいて)詮(あきらかにし)推しはかる試みは法(仏の道)を現わすことを遂げる。
 真(まこと)の照(あまねく光が当たる=平等)を顕(あきらかにする)。
 展(ひらいて)詮(あきらかにする)態(ありさま)を申(のべること)を掩(かくしている)。

『城』2023。

2015-07-16 06:07:36 | カフカ覚書
彼女は、家で完全に気ママになって長椅子に寝そべっておれるときが、おそらく最も幸福であるらしかった。横に猫がうずくまっているが、これはもうほとんど動けないほどの老猫だから、邪魔になることもない。


☆彼女は、彼女の居場所で完全に自由であり、長椅子(天/カノーブス・竜骨座)にいることが最も無難であった。(※北半球では見えにくい)
 それに世襲的階級に反対し、小舟にはむしろ抵抗していた。