続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『赤いモデル』

2015-10-07 06:49:03 | 美術ノート
 板壁と地面、その上に対の足。傍らには新聞紙の切れ端(良く見えないけれど、女体?)。
 足と見えるものは上体はなく、編み上げ靴に変容している。靴のような足、足のような靴である。

 靴は空であり、人の存在はないことから不在をイメージしているとも思われるが、足指のリアルさから生の人間を想起させ、この物の半分は血の出る肉体の一部として描かれている。いわば、切断された足である。

 板塀に遮断された世界、向こうは見えない。板の年輪は時間、時代を暗示していると思うが、どことなく古び汚れた感じが拭えない。(少なくともクリアーではない)

 歩くことのできない足、履くことのできない靴。新聞紙の写真は何を暗示しているのだろう。裸体であることから、淫乱・不義をイメージさせる・・・とすれば、罪だろうか。
 罪による足の切断。

 愚かな者に託して事を言い送る者は、自分の足を切り去り、身に害をうける。(箴言・第二十六章)


 石ころだらけの荒れ地であり、歩けばおそらく血の出る地面のように見える。

『赤いモデル』とは、警告!なのだろうか。
 この板塀は外界との遮蔽を意味する、隔絶された世界の暗喩。

 靴への同化を拒否するかの足指(足先)は、青筋を立て、怒りを露わにしているようにも見える。時代の中に置き去りにされた悲しみの告発という印象を受ける。

 警告であり、忿怒であり、悲しみでもある『赤いモデル』には慟哭が隠されている。


(写真は『マグリット』㈱東京美術刊より)

『銀河鉄道の夜』101。

2015-10-07 06:13:37 | 宮沢賢治
 町の灯は、暗の中をまるで海の底のお宮のけしきのやうにともり、子供らの歌ふ声や口笛、きれぎれの叫び声もかすかに聞こえて来るのでした。


☆懲(過ちを繰り返さないようにこらしめる)祷(神仏に祈る)の案(考え)を注(書き記す)。
 悔(過ちに気付いて残念がる)の態(ありさま)を救う詞(ことば)を教える。
 過(あやまち)の傷(悲しみ)を更(入れ替える)的(ねらい・目標)の教(神仏のおしえ)である照(あまねく光が当たる=平等)の文の記である。

『城』2106。

2015-10-07 06:01:07 | カフカ覚書
そして、オルガが、さっきなぜアマーリアのことを気だてがやさしいなどとおっしゃったのk、ふしぎでなりません、アマーリアにもいろんな美点はありますが、気だてけはやさしくないのです。


☆そして、オルガ(機関・仲介者)はさっきなぜ非常に情け深いなどと言ったのか驚いています。アマーリアにもいろいろ情け深いところがありますが、実のところそうではありません、といい、Kと共に笑った。(復讐心を抱いた)