続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

宮澤賢治・考。

2015-10-08 07:32:00 | 宮沢賢治
    


 
 ものはみな
 さかだちをせよ
 そらはかく
 曇りてわれの脳はいためる

 この世界 
 空気の代りに水よみて
 人もゆらゆら泡をはくべく  (『歌稿』より)


   岩手山

 そらの反乱反射のなかに
 古ぼけて黒くゑぐるもの
 ひかりの微塵系列の底に
 きたなくしろく澱むもの  (『グランド電柱』より)


   高原

 海だべがど  おら おもたれば
 やっぱり光る山だぢゃい
 ホウ
 髪毛 風吹けば
 鹿踊りだぢゃい      (『グランド電柱』より)


   屈折率

 七つ森のこっちのひとつが
 水の中よりもっと明るく
 そしてたいへん巨きいのに
 わたしはでこぼこ凍ったみちをふみ
 このでこぼこの雪をふみ
 向ふの縮れた亜鉛の雲へ
 陰気な郵便脚夫のやうに
   (またアラツデイン 洋燈とり)
 急がなければならないのか      (『春と修羅』より)


 「七つ森」とは「七つの海」を逆さにしたものだと思う。

 このとき山地はなほ海とも見え(〔青ぞらにタンクそばたち〕より)

 新たな自然を形成するのに努めねばならぬ…あまりに重苦しい重力の法則からこの銀河系統を解き放て(『詩ノート』より)


 賢治の自由な構想には胸が沸き立つ。もうまるで解体し、物質全部を電子に帰しとも詠っている。

 そこはちやうど両方の空間が二重になってゐるとこで(『風景とオルゴール』より)

 平塚市美術館のチラシを見て改めて賢治の世界観に胸が震えるような感慨を覚えた。


(写真は、平塚市美術館広告チラシより)

歩けた!

2015-10-08 06:49:09 | 三浦半島
 昨日は月イチの「歩こう会」。
 よもや行かれないと思いながら、半期に一度の会費支払を欠かしてはならないと集合場所がYRP野比駅と近かったこともあって出かけた。
 調子に乗って、万が一昼食のエリアまで歩いてしまった時を考慮し、お握り2個とお茶をバックに潜ませた。
 集合場所で手を振り「ではここで・・」とか何とか、もぞもぞ言おうと内心反復していたのに、
「さぁ、行きましょう」の声に釣られて歩き出してしまった。

(まずいな、まずいな、長沢駅でリターン)
 おや、もう過ぎてしまった。では次の津久井浜駅で・・・。

「大丈夫、もう少し歩きましょうよ」と、肩を叩かれて・・・(そ、そうですね。)

 若山牧水歌碑、長岡半太郎記念館・若山牧水資料館~万代会館・・・とうとう三浦市へ。

 三浦海岸付近のお寺で昼食、お寺さんは飴を二袋サービスしてくれた。
 お寺の境内には大きな銀杏の木から落ちた銀杏が地面にびっしり。誰も踏まないと臭わないことが判明。

 三浦の海をたっぷり堪能したコース。
 久しぶりの歩こう会参加、比較的というか、かなり楽チンなコースだったけど、とにかく歩けたことに、否、歩かせてもらったことに感謝。

『銀河鉄道の夜』102。

2015-10-08 06:35:57 | 宮沢賢治
風が遠くで鳴り、丘の草もしずかにそよぎ、ジョバンニの汗でぬれたシャツも冷やされました。ジョバンニは町のはずれからひろがった野原を見わたしました。


☆普(あまねく)掩(おおいかくされている)冥(死の世界)を究(つきつめる)。
 総(すべて)が換(入れ替わり)戻(もとにもどる)。
 重なる縁(関わり合い)を告げる夜の幻が現れる。

『城』2107。

2015-10-08 06:15:39 | カフカ覚書
オルガの疑問にたいして、彼は講説明した。あの賛辞は、もちろん、あんた(オルガ)にむけられたものです。でも、アマーリアは、非常に高慢なので、自分のいるところで口にされる賛辞をのこらず自分にとりこんでしまうだけじゃすまないんです、こちらからすすんでなんでもあの人にも分けてやるようになってしまうのです、と。


☆Kはその上で説明した。あの評判は当然オルガ(機関/仲介者)に向けられたものです。でも、アマーリア(作り話/マリアは非常に尊大なので、すべて(死)を自分のものにしてしまうだけではありません。全て自発的にこちらから(死を)分配するのです。