続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『銀河鉄道の夜』104。

2015-10-10 08:38:05 | 宮沢賢治
 あゝあの白いそらの帯がみんな星だといふぞ。
 ところがいくら見てゐても、そのそらはひる先生の云ったやうな、がらんとした冷いとことは思はれませんでした。


☆魄(たましい)の態(ありさま)を制(つくる)。
 現れる千(たくさん)の精(たましい)を運(めぐらせている)。
 霊(死者の魂)の姿である。

マグリット『野の鍵』

2015-10-10 07:03:22 | 美術ノート
 透明ガラスを通して見える外界の野の景色が、ガラスに映ったまま砕け落ちているという作品。
 もちろん現実には有り得ない現象であるからこそ、作中に籠めたのである。

 心理的な現象を衝いている。残像はここまで執着しないが、こういう見解もあったのかという納得である。なぜなら絶対にありえない現象であるから・・。
 野の景色を映した窓ガラスは未だ落ちかけて宙に浮いている状態である。


 わたし達は、重力下という空間を当たり前として暮らしている。
『野の鍵』という野=Fieldsは、場・界を指し、鍵=Keyは、答え。
 つまり、『野の鍵』は『場の答え』という意味合いを含んでいるのではないかと思う。場は空間を占有し、エネルギーを持つ、その「場」を固定し落下させ、粉々に砕いて見せたのではないか。

 物理的な場という概念を、精神的な視覚という操作で答えを差し出した作品かもしれない。

 窓ガラスに映った野の景色は、映った景色そのままに落下し破損しているという図。断じて有り得ないイメージの浮遊への驚愕。

 物理的な場(概念)と心理的な場(概念からの解放=自由)の相違、マグリットの答えである。


(写真は国立新美術館『マグリット展』図録より)

『城』2109。

2015-10-10 06:07:27 | カフカ覚書
 kはそれは言いすぎだとおもう、と言った。だって、さっきアマーリアは、たとえば兄の仕事なんか自分はちっとも知りたいとおもわないけど、オルガはなんでも知っている、と言ったじゃありませんか。
「さあ、どう言ってご説明したらいいかしら」と、オルガは言った。


☆Kは、言いすぎだとみなした。それにもかかわらず、アマーリア(作り話/マリア)は、たとえば同郷人の関心事など悲哀ではないけれど、オルガ(機関/仲介者)は何でも(尽きる→死)を理解していると言ったじゃありませんか。「さあ、どう説明したらいいかしら」と、オルガ(機関/仲介者)は言った。