続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

デュシャン『チョコレート粉砕器』

2017-03-25 06:33:11 | 美術ノート

 『チョコレート粉砕器』

 チョコーレート粉砕器のカタログの挿絵(本物)を比較してみるまでもなく、おかしなもの(不自然)である。不自然に見えないように苦慮しバランスを取っているが、どう見てもおかしい。
 この器械はどう動くのか、チョコレートはどこに置かれどこに出るのか。動力になる機能が欠けているし、粉砕されるべきチョコレートの流出経路も不明である。第一、平面上では零れ落ちてしまう。
 しかもローラーの角度が内向きでなく外向きになっている。

 機能不能、不備というよりまるで目的に適わない構造を提示している。
 いかにもそれらしく在る、しかし内実不明…有用であるように見えて空虚、無用の長物を描き出している。実に巧みである、これは明らかに単純化などではない。

 もしデュシャンが存命ならば肩を叩いて忍び笑いをしたかもしれない。
 デュシャンて(いいなぁ)そして寂しいよ。でも、存在をもって《虚空》を差し出すなんて凄い!!


(写真は『DUCHAMP』TASCHENより)


『城』2591。

2017-03-25 06:06:16 | カフカ覚書

そして、いつもアマーリアの眼のとどかないところで、つくり笑いと大きく見ひらいた眼でアマーリアのほうをさしながら、いろいろ骨を折ったおかげでアマーリアを救ってやれる日もすぐ眼のまえにちかづいている、


☆そして常にアマーリアの影で動き、復讐を否定するのでした。理解を望み、大きく目を開き、アマーリアを見て、完全に尽力すれば、近いうちにアマーリアを救済できるだろう。