続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

必然。

2012-06-27 06:35:17 | 日常
 カフカに併せて賢治を読んでいる。賢治に併せてカフカを読んでいる。

 国道でたまたま出会った旅人に、ぼくは尋ねてみた。七つの海のむこうに七つの砂漠があり、そのまたむこうに七つの山があって、その七つめの山のうえに例の城があるのでしょうか、そして・・・(カフカ『断片』より)

 この考えは、賢治の『七つ森』に匹敵する。

 又三郎を、幽(死界)の太陽と解釈しているけれど、

 こんな場所は、ぼくには初めてだ。息がせく。太陽と並んで、太陽よりさらにまぶしく、ひとつの星が輝く(カフカ『八つ折り版ノート』より)

 というように、存在をもうひとつの太陽=真実という仮想を条件に構想をめぐらせている。

 

 大きな課題である。
「お前は宿題のようなもの。解いてやろうという生徒がどこにもいない。」(カフカ)

 賢治の絶対平等の精神、カフカの真理への洞察・・・二人は同じ道を歩いている。強いて言えば、カフカの傷の深さがわたしを刺激し追い立てていることは間違いない。

『城』865。

2012-06-27 06:18:56 | カフカ覚書
そのあいだ、A課では、われわれの返答を待っておりました。A課には、この問題にかんする記録は取ってあったのですが、こういうことは、おわかりのようによくあることでして、

 課/Abteilung→Abtretung/Tod、死。
 返答/Antwort→entwerten/無価値にする。

☆そのあいだ、Aという死ではわたしたちが無価値(無)になるのを待っていました。
 この切実な問題にかんしては書きとめてあったのですが、もちろん度々の区別(差別)のことです。

わたしを励ますもの。

2012-06-26 06:26:04 | 日常
 わたしはカフカの作品を読んでいる、従順な読者として繰り返し読んでいる。けれど、少し違う解釈をしている。この責任を取るためにあえて名前を記し、覚悟して読んでいる。

 そんなわたしを励ましてくれるのは、やはりカフカの作品であり、ノートに書かれた一文である。

「おまえは、最大の課題にただ触れるだけでもいい、その課題の迫ったことをかぎつけるだけでいい、それが存在することを夢見るだけでいい、せめてこの夢想をこい願うだけでいい、願いのための文字を習うことから始めてもいい、と言う。」(『八つ折り判ノート』より/飛鷹節 訳・新潮社版)

 カフカ作品の底の底まで下りてその課題を共有したい、一読者としての願いである。不確かなところは多々ある、それを承知で読み進めている。全体の中でカフカが叫びを上げて告発しているその課題の大意を掴めればそれでいいと、そこまでがわたしの力の範囲だと思って読んでいる。

『風の又三郎』362。

2012-06-26 06:10:47 | 宮沢賢治
見ると、一人の変に鼻の尖った、洋服を着てわらぢをはいた人が、手にはステッキみたいなものをもって、みんなの魚を、ぐちゃぐちゃ掻きまはしてゐるのでした。

☆推しはかる傷(悲しみ)の衆(人々)、駄/つまらない悔/過ちに気づいて残念がっている。脅かす幻が溢れるのを忍(堪える)片(もう一方)の微(ごくわずかな人々)。
 遷/移り変わる様(すがた)は複/くりかえされる。
 寂しい途(みち)の衆(人々)
 御/おさめる総/すべて。

『城』864。

2012-06-26 05:52:39 | カフカ覚書
とにかくB課へとどいたのも、書類の封筒だけでしてな、それには、この封筒の中身(と言っても、実際にはなにも封入されていなかったわけですが)は測量師の招聘にかんする文書であるということしか記してありませんでした。

 課/Abteilung→Abtretung/Tod、死。
 書類/Akt→Acht/追放。
 封筒/umschlag→umschlagen/悪化する。
 招聘/Berufung・・・任命、注意、控訴。

☆Bの死に現われたのも、追放の悪化だけでしてね。それにはこの(と言っても実際には追放などなく)測量師(土地のないことに気付いた人)の任命をおぼろげの感じるだけでした。

早起きは三文の徳。

2012-06-25 06:49:40 | 日常
 比較的早く起きるので、ゴミ集積場には早く行く。その空き地には高台の家から梅の実が落下してくる。その家の人がその梅を拾う場合かなりの距離を回らなくてはならない。したがって放棄とみなし、わたしが一ヶ二ヶと拾い集めても文句は出ない(はず)。

 初めのうち少しばかりの梅を拾ってどうするのとまったく無視していたけど、隣家のSさんの「拾っているの」という言葉を受けて俄然闘志がわいた。ならば、早起きのわたしが・・・。

 至近の場所だけど、早々そのためだけには行かれない。早朝という限られた時間帯だけだけれど、案外収穫がある。

 梅ジャム一瓶くらいは出来るほどの収穫(?)。悦に入って作った梅ジャムを眺め、『早起きは三文の徳』という言葉の意味を噛み締めているケチなわたし。

『風の又三郎』361。

2012-06-25 06:40:06 | 宮沢賢治
 そのころ誰かが、
「あ、生洲、打壊すとこだぞ。」と叫びました。

 誰かはスイと読んで、推。
 生洲はセイ・スと読んで、逝、蘇。
 打壊すはチョウ・カイと読んで、丁(十干の第四から死)、界。
 叫びましたはキョウと読んで、経。

☆推しはかる逝(死んだ人)の蘇(よみがえり)。死の界は経/常に変わらない。

『城』863。

2012-06-25 06:16:45 | カフカ覚書
ところが、困ったことに、B課も、われわれの返答を完全に受けとったのではないのです。書類の中身がわれわれのところに残されたままになっていたのか、あるいは、途中で紛失してしまったのかはわかりませんがーあちらの課で紛失したのでないことだけは確かで、これは、わたしが保証しますー

 返答/Antwort→Entwurf/計画、もくろみ。
 bekam→bekampfen/戦う。
 書類/Akten→Acht/追放。
 課/Abteilung→Abtrtung/Tod、死。
 紛失/verloren→verlohnen/報われる。
 残す/zuruckgeblieben→zuruckbringen/蘇生させる。
 保証するburge→bergen/隠す。

☆わたしたち全体のもくろみではありませんが、不幸にもほんとうに戦うことになったのです。追放の仲居がわたしたちを蘇生させるか、手段が報われるのかはわかりませんが、あちらの死が報われない事だけは確かで、そのためにそれを隠さなければなりません。

減築?

2012-06-24 05:44:52 | 日常
 新しく建て直す、新築だから減築とは言わないのだけれど、大きな家を小さく建て直す傾向がある。H家は庭木もサッパリ取り払って平地に戻すと、相当広い敷地。Hさんは「建てるって・・・小さな家なんですよ」と笑った。(冗談ばっかりと思っていたら・・・)

 土台のコンクリートを覗くと、わが家ほどではないにしても間取りはシンプル。半分の敷地は車五台を停める駐車場にするらしい。なるほどね、庭の草取りも大変、それならいっそ・・・毎月黙っていても(いいなぁ)。
 それに息子さんはどうやら転勤族だから、わたしより年上のHさんは一人暮らしになる。シンプルが一番!

 そういえば、Hさんの義姉さんが(Hさんの実家はこの辺り一帯の地主だった)前に話していたことがある、
「家が広いと掃除もメンテナンスも大変、お宅くらいが一番いいのよ」(それは言い過ぎの小さなわが家)と言ってくれたことがある。確かに塀の向こうの広い庭の手入れはさぞかし大変だろうと思う。塀沿いの何本かの巨木は枝を払っているけど相応の落葉が・・・。

 
 昨日お使いの帰り、やはり建て直しをしていた大きな家の前を通ると、以前あった二階がない。レンガ(タイル?)造りの立派な家は全室南向きの平屋になっていた。(古い家からは大きなお風呂にもまがう洗い桶が出てきたけど、収穫した大根や菜っ葉のためのものだったに違いないと、通りがかりにしばらく佇んで眺めた事がある)

 大きな家の風格より、小さな家の便利。動線の短縮は時間の豊かさにつながる(?)

(ちなみに近所に塀も高く立派な家を新築した家があるけれど、以前にも、最近も・・・泥棒に入られたらしい。立派すぎるのも物騒ではある)