相模太夫の旅録=Tabi Log

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幕末期の擬洋風建築「旧中村家住宅主屋と長屋門」

2022-10-30 09:46:41 | 建造物
相模原市南区磯部勝坂に唯一現存する幕末期の擬洋風建築で国登録有形文化財指定の「旧中村家住宅」「長屋門」はある。中村家は長屋門に架かる「中村歯科」の看板のとおり歯科医であり、屋敷内の主屋と長屋門の間に歯科診療所がある。この住宅は鎌倉大工の「石井勘五郎」が10年の歳月を掛けて造った住宅で、建築当初は3階建てであったが関東大震災後3階部分は取り除かれ2階建てとなった。木造平屋建ての黒褐色をした重厚な「長屋門」より敷地内に入ると外観は和風のイメージでまとめ屋根は青い瓦、2階外壁は白の「海鼠壁」の「主屋」がある。洋風の要素として軒を曲線の白漆喰で塗り込め正面に縦長の窓を配するなど和洋が見事に折衷、調和した美しさとなっている。宅地面積1869㎡内に1階部分は整形四間取とし、西側に「玄関」、「どま」があり、「武台」の間に「武台の間」、「茶の間」、「客座敷」、「仏間」、「納戸」、「お勝手」という「主屋」となっている。住宅背後の小丘には小さな「神社」があり、また中村家が所有する畑より大正15年(1926)に採取・発見された厚手で装飾豊かな土器は後に「勝坂式土器」として中部・関東地方の縄文時代中期の土器を判断する目安となった。(2210)
 
 
 
 
 


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