足柄下郡箱根町仙石原は江戸時代初期まで地名は「千石原村」であった。昔は一面、樹木もない広大な原野であり、ここを開墾すれば千石もの穀物が獲れるということから名づけられた。しかし火山灰土壌と湿地であることから屋根葺き用のカヤ=すなわちススキを近隣の村に出荷するのが主な仕事でり生活の大事な糧あったという。しかし今や台ヶ岳の斜面を覆い尽くす様にすすきが一面に広がる「仙石原のすすき草原」、この美しい風景、景色は観光の目玉、名所となり「かながわの景勝50選」、「かながわの花の名所100選」にも選ばれ多くの観光客が訪れる。一本道の遊歩道を跨ぐように一体何本のススキがあるのか想像もつかないが、今の時期このススキ草原は黄金色の絨毯を敷き詰めたかのように広がる色づいたススキ穂の群衆美、陽の光を浴びて銀色にキラキラと輝く幻想的で雄大な光景は今ならではの被写体である。(2010)
千石高原=台ヶ岳の斜面の裾野一帯に「ススキの草原(群生地)」が広がっている。たかがススキされどススキで、これだけ広大な土地にススキだけというのもまた壮観である。緑色の葉と銀色の穂が絶妙なコントラストとなって、草原一面が波打つように風に揺らぎ、夕日を浴びてさらに銀色の輝きを増したススキ草原の美くしさは神秘的で幻想的である。(0910)