海老名上今泉の豊かな美しい樹木に囲まれた一画に愛甲郡玉川村七沢広沢寺の末寺、曹洞宗寺院「金龍山常泉院」はある。創建は天文19年(1550)中興の伝からそれ以前と推定される。以前は「今泉山福泉寺」と称していた。本尊は室町時代初期の造立といわれている木造虚空菩薩坐像である。小田急線座間駅と海老名駅中ほど「秋葉山古墳群」の近くに「山門」が構えられている。山門手前に「えびなむかしばなし」の中にも記されている「常泉院の三日月井戸」がある。常泉院の寺号はこの泉に因んでいる。またこの井戸は「弘法大師」が相模国巡錫の旅の途中この地を訪れた際、水不足・水飢饉に苦しむ村人を救うため持っていた杖で地面を叩くとそこから泉が湧き出たことに由来し「弘法様の井戸」とも呼ばれている。昔、この付近の民家には井戸がないところが多く、太平洋戦争前ぐらいまではこの泉の水を使っていたと伝わる。「山門」を抜けると境内正面に大きな入り母屋づくりの「本堂」、右に「庫裏」がある。本堂前には立派な「宝篋印塔」が建ち、横には「白衣聖観音像」が祀られている。江戸時代、相模原市の上溝と下溝、海老名市今泉も所領していた「青山忠俊」に由来している伝えがある。道路脇の敷地に大山不動の道標と双体道祖神が祀られている。(2007)
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