注目された3月6日のNY外国為替市場で、海外市場での株式市場が値を戻した安心感から、ドルは特に対円で買われ、1ドル=116.66円前後で取引された。ドルは対ユーロでは、1ユーロ=1.3125ドル前後と小幅売られた。
ドルが対円で買いもどされた背景には、円キャリートレード復活の兆しであり、その証拠に、高金利の豪州ドル、英ポンド、メキシコペソがそろって対円で値上がりしたことが証明しているとの一部アナリストの見解を今朝のWSJ紙は紹介している。
異常に低い金利の円を借り、自国通貨で運用する円キャリートレードが、わずか0.25%の日銀の利上げで、世界の金融市場に動揺を与え、世界同時株安を演出した。1ドル=115円で円相場が対ドルで当面の天井をつけたかどうか見極めたいところである。
3月6日のNY株式市場では、アジア株、欧州株の反発に促されるように、取引開始早々から活発な買い物が入り、取引時間中、ほぼ一本調子で値を上げ、前日比157ドル、1.3%上昇、12,207ドルで取引を終了した。ハイテク株価指数のナスダック指数1.9%、S&P500平均株価指数1.6%、小型株指数のラッセル2000は2.5%いずれの指数も上昇した。
NY原油先物市場は、株価上昇から安心感が広がり反発、4月先物相場は、62セント、1%上げ、バレル60.69ドルで取引された。金相場もつれ高、9.8ドル上げオンス649ドルまで値を戻した。米・イラン間で緊張の高まりも原油や金相場反発を支援したようだ。
世界同時株安で、世界景気が一気に冷え込み、原油需要が落ち込むとの懸念が後退、当面バレル60~63ドルレンジで安定的に推移するであろうとアイルランド銀行、エネルギー問題アナリスト、PaulHariss氏の見方をWSJ紙は紹介している。
NY債券市場は、株価回復を受けて値下がり、10年物国債利回りは4.53%へ上昇した。米労働省は昨年10~12月期の労働生産性が速報値の3.0%増を1.6%増へ下方修正した。労働コストが当初の1.7%増が6.6%増へ増額修正されたことでインフレ懸念から利下げ時期が先にずれるとの思惑が再び出てきているとWSJ紙は指摘している。
一方、米商務省は、2007年1月、米工場受注高が2000年7月以来最大の5.6%低下したと発表した。米不動産協会が、1月の米住宅販売予約件数が4.1%減少したと発表した。
この日相次ぎ発表された米国の悪い経済データをNY株式市場は無視した。金融市場に安心感を与えた円キャリートレードの落ち着きが果たして本物かどうか。相場の世界は高をくくると失敗する。水鳥の心の内を聞いてみたい。(了)
江嵜企画代表・Ken
ドルが対円で買いもどされた背景には、円キャリートレード復活の兆しであり、その証拠に、高金利の豪州ドル、英ポンド、メキシコペソがそろって対円で値上がりしたことが証明しているとの一部アナリストの見解を今朝のWSJ紙は紹介している。
異常に低い金利の円を借り、自国通貨で運用する円キャリートレードが、わずか0.25%の日銀の利上げで、世界の金融市場に動揺を与え、世界同時株安を演出した。1ドル=115円で円相場が対ドルで当面の天井をつけたかどうか見極めたいところである。
3月6日のNY株式市場では、アジア株、欧州株の反発に促されるように、取引開始早々から活発な買い物が入り、取引時間中、ほぼ一本調子で値を上げ、前日比157ドル、1.3%上昇、12,207ドルで取引を終了した。ハイテク株価指数のナスダック指数1.9%、S&P500平均株価指数1.6%、小型株指数のラッセル2000は2.5%いずれの指数も上昇した。
NY原油先物市場は、株価上昇から安心感が広がり反発、4月先物相場は、62セント、1%上げ、バレル60.69ドルで取引された。金相場もつれ高、9.8ドル上げオンス649ドルまで値を戻した。米・イラン間で緊張の高まりも原油や金相場反発を支援したようだ。
世界同時株安で、世界景気が一気に冷え込み、原油需要が落ち込むとの懸念が後退、当面バレル60~63ドルレンジで安定的に推移するであろうとアイルランド銀行、エネルギー問題アナリスト、PaulHariss氏の見方をWSJ紙は紹介している。
NY債券市場は、株価回復を受けて値下がり、10年物国債利回りは4.53%へ上昇した。米労働省は昨年10~12月期の労働生産性が速報値の3.0%増を1.6%増へ下方修正した。労働コストが当初の1.7%増が6.6%増へ増額修正されたことでインフレ懸念から利下げ時期が先にずれるとの思惑が再び出てきているとWSJ紙は指摘している。
一方、米商務省は、2007年1月、米工場受注高が2000年7月以来最大の5.6%低下したと発表した。米不動産協会が、1月の米住宅販売予約件数が4.1%減少したと発表した。
この日相次ぎ発表された米国の悪い経済データをNY株式市場は無視した。金融市場に安心感を与えた円キャリートレードの落ち着きが果たして本物かどうか。相場の世界は高をくくると失敗する。水鳥の心の内を聞いてみたい。(了)
江嵜企画代表・Ken