ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

ドル116円台へ、NYダウ157ドル高ー学校で教えてくれない経済学

2007-03-07 23:25:48 | 経済学
注目された3月6日のNY外国為替市場で、海外市場での株式市場が値を戻した安心感から、ドルは特に対円で買われ、1ドル=116.66円前後で取引された。ドルは対ユーロでは、1ユーロ=1.3125ドル前後と小幅売られた。

ドルが対円で買いもどされた背景には、円キャリートレード復活の兆しであり、その証拠に、高金利の豪州ドル、英ポンド、メキシコペソがそろって対円で値上がりしたことが証明しているとの一部アナリストの見解を今朝のWSJ紙は紹介している。

異常に低い金利の円を借り、自国通貨で運用する円キャリートレードが、わずか0.25%の日銀の利上げで、世界の金融市場に動揺を与え、世界同時株安を演出した。1ドル=115円で円相場が対ドルで当面の天井をつけたかどうか見極めたいところである。

3月6日のNY株式市場では、アジア株、欧州株の反発に促されるように、取引開始早々から活発な買い物が入り、取引時間中、ほぼ一本調子で値を上げ、前日比157ドル、1.3%上昇、12,207ドルで取引を終了した。ハイテク株価指数のナスダック指数1.9%、S&P500平均株価指数1.6%、小型株指数のラッセル2000は2.5%いずれの指数も上昇した。

NY原油先物市場は、株価上昇から安心感が広がり反発、4月先物相場は、62セント、1%上げ、バレル60.69ドルで取引された。金相場もつれ高、9.8ドル上げオンス649ドルまで値を戻した。米・イラン間で緊張の高まりも原油や金相場反発を支援したようだ。

世界同時株安で、世界景気が一気に冷え込み、原油需要が落ち込むとの懸念が後退、当面バレル60~63ドルレンジで安定的に推移するであろうとアイルランド銀行、エネルギー問題アナリスト、PaulHariss氏の見方をWSJ紙は紹介している。

NY債券市場は、株価回復を受けて値下がり、10年物国債利回りは4.53%へ上昇した。米労働省は昨年10~12月期の労働生産性が速報値の3.0%増を1.6%増へ下方修正した。労働コストが当初の1.7%増が6.6%増へ増額修正されたことでインフレ懸念から利下げ時期が先にずれるとの思惑が再び出てきているとWSJ紙は指摘している。

一方、米商務省は、2007年1月、米工場受注高が2000年7月以来最大の5.6%低下したと発表した。米不動産協会が、1月の米住宅販売予約件数が4.1%減少したと発表した。

この日相次ぎ発表された米国の悪い経済データをNY株式市場は無視した。金融市場に安心感を与えた円キャリートレードの落ち着きが果たして本物かどうか。相場の世界は高をくくると失敗する。水鳥の心の内を聞いてみたい。(了)

江嵜企画代表・Ken



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

NYダウ63ドル安も債券相場堅調は救いー学校で教えてくれない経済学

2007-03-07 23:16:35 | 経済学
円キャリートレードの話題が連日舞台の中央に出て来て賑やかだ。超低金利の円を借りそれを自国通貨に替えて運用するからくりにわずかにほころびが出ただけだが、最近では世界同時株安まで円キャリートレードが先導している。

NY為替市場では円が引き続き買われ、対円で1%上、1ドル=115円台に突入した。円は金利の高い英ポンドに対しては2%以上上げ、1英ポンド=221円台で取引された。金利差が大きい通貨として英ポンドもヘッジファンドの標的にされたのかもしれない。

先に開かれたG7で円キャリートレードが金融市場のかく乱要因として指摘され、日銀が利上げし易い環境を作ってくれたことが世界的な株安を演出したのだからこれほど皮肉な話はない。

そもそも為替取引に限らず相場そのものの世界は狩猟民族の作り出した生活の知恵であろう。生活の場の移動が難しい農耕民族にとっては、激しく動く相場の世界は苦手種目である。日本のお金持ちも土地成金がほとんどといわれ、相場で財を成した話は余り聞かない。

現在開催中の中国の国会に当る全人代で「物権法」が成立すれば、中国は農民が7割を占めるから、グローバル経済導入といわれても日本人以上に消化できず、大混乱に陥るリスクが大きい。この先世界の金融市場が、中国がリスク要因に振りまわされる。今回の上海発の世界同時株安という現象も、水鳥の嗅覚が教えてくれているのかもしれない。

3月5日、NYダウは63ドル下げ、12,050ドルでおり引きされた。ハイテク株のナスダック指数もS&P500 種平均株価もともに値下がりした。CNNテレビで場立ちの様子をみていても目線が定まっていないように見える。コメンテーターもマイクを向けられてしゃべっている割には上滑りでいかにも自信なさそうだ。

NY原油先物相場はバレル1.57ドル値下がりして60.07ドルで取引された。世界景気がスローダウンするのではないかとの不安感が微妙に相場に顔をだしているのかもしれない。3月15日にOPECは総会を開くが追加減産の予定はなく相場の支援材料になっていない。

ただ債券相場は比較的堅調に推移している。10年物国債の利回りは4.51%台まで低下した。株が世界的に売られた結果、お金が安全パイ、緊急避難場所として債券市場を選んだのであろう。債券という逃げ場所がある限り日にち薬で早晩落ち着くかもしれない。

人の浅知恵や後講釈よりも水鳥の嗅覚を大事にしたい。(了)

江嵜企画代表・Ken


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする