原油が上がればドルが下がる。ドルが下がれば原油が上がるパターンが定着している。
NY原油先物市場で、5月5日、WTI(軽質油)相場が、過去最高値のバレル120.36ドルに迫る、119.97ドルで取引を終了した。
CNNテレビを見ていると、その後の電子取引では、バレル120ドル上で取引が続いている。原油が前日比3.1%一気に上がったことで、投機資金を刺激し、株式に流れ始めていたお金の一部が、商品市場へ戻り、金相場も、先週末比17ドル高い、トロイオンス873ドルで取引された。お金は水鳥と同じで、餌場〈リターン〉を求めて断りなく移動する。
原油市場では、イランと欧米間で緊張が再び高まってきたこと、トルコが国境付近でイラククルド軍と交戦したこと、特に、米国人にとっては、敏感な、ナイジエリアの武力勢力によるロイヤルダッチシエルの製油所攻撃で、供給不安が相場の上げ材料に使われた。
米国は、世界最大の原油消費国であり、しかもガソリンの最大消費国である。ナイジェリアは、ガソリン用の上質の原油を供給する。米国は輸入原油の約10%をナイジエリアに依存している。夏のドライブシーズン入りを控えて、ガソリン不足が起こり、ガソリンの値段が上がるとの思惑で相場が上げていると今朝のWSJ紙が解説していた。
一方、NY外国為替市場で、ドルが売られ、一時、1ユーロ=1.55ドル台まで値下がりしたあと、1ユーロ=1.5493ドル前後で取引されている。ドルは、対円でも売られ、1ドル=104.84円で取引された。
先週、NY市場で、米雇用データが、予想以上に堅調であるとして、ドルは、1ユーロ=1.53ドル台、1ドル=105.50円台で取引されていた。ところが、雇用数が予測の8.5万減が2万減に減ったことは喜べないとする見方が出てきた。
雇用は、減り方が少ないだけで、雇用数は4ヶ月連続で減少している。サブプライムローン問題は解決していない。住宅価格は下げ続けている。米金融機関の3月末決算は終わったが、6月末決算を見極めたいという空気が、再び、頭をもたげてきている。
今週末に開かれるECB(欧州中央銀行)会議も見極めたい。トリシエECB総裁は、インフレ懸念を繰り返しており、ECBが早晩利下げに踏み切る気配はない。米国では、利下げ打ち止め感が目先、出ているが、信用収縮が本復していないため、追加利下げの目も消えていない。そうなれば、米欧間の金利差は相変わらず縮まらない。
このところのドル相場は、欧州との金利差で動いている。年4.0%のEU(欧州連合)に対して、米国は年2.0%である。欧州が利下げなし、米国が追加利下げとなれば、リターンを求めて、自然の流れとして、お金は欧州へどうしても移動する。
NY株式市場では、原油相場が史上最高値に近づいたことから、インフレ懸念が台頭、先週末比88ドル下げ、12,969ドルと、再び13,000ドル台を割り込んだ。NYダウ値下がりには、ダウ採用銘柄のマイクロソフトがヤフー買収を断念したニュースも影響した。
ところで、日本はどうか。花見が終わり、早や5月、ゴールデンウイークたけなわである。その一方で、各地で凶悪犯罪が続いている。福田内閣の支持率が20%を割っても、マスコミも事荒立てる気配が全く見られない。日本人のノー天気振りが際立ってきた。(了)
NY原油先物市場で、5月5日、WTI(軽質油)相場が、過去最高値のバレル120.36ドルに迫る、119.97ドルで取引を終了した。
CNNテレビを見ていると、その後の電子取引では、バレル120ドル上で取引が続いている。原油が前日比3.1%一気に上がったことで、投機資金を刺激し、株式に流れ始めていたお金の一部が、商品市場へ戻り、金相場も、先週末比17ドル高い、トロイオンス873ドルで取引された。お金は水鳥と同じで、餌場〈リターン〉を求めて断りなく移動する。
原油市場では、イランと欧米間で緊張が再び高まってきたこと、トルコが国境付近でイラククルド軍と交戦したこと、特に、米国人にとっては、敏感な、ナイジエリアの武力勢力によるロイヤルダッチシエルの製油所攻撃で、供給不安が相場の上げ材料に使われた。
米国は、世界最大の原油消費国であり、しかもガソリンの最大消費国である。ナイジェリアは、ガソリン用の上質の原油を供給する。米国は輸入原油の約10%をナイジエリアに依存している。夏のドライブシーズン入りを控えて、ガソリン不足が起こり、ガソリンの値段が上がるとの思惑で相場が上げていると今朝のWSJ紙が解説していた。
一方、NY外国為替市場で、ドルが売られ、一時、1ユーロ=1.55ドル台まで値下がりしたあと、1ユーロ=1.5493ドル前後で取引されている。ドルは、対円でも売られ、1ドル=104.84円で取引された。
先週、NY市場で、米雇用データが、予想以上に堅調であるとして、ドルは、1ユーロ=1.53ドル台、1ドル=105.50円台で取引されていた。ところが、雇用数が予測の8.5万減が2万減に減ったことは喜べないとする見方が出てきた。
雇用は、減り方が少ないだけで、雇用数は4ヶ月連続で減少している。サブプライムローン問題は解決していない。住宅価格は下げ続けている。米金融機関の3月末決算は終わったが、6月末決算を見極めたいという空気が、再び、頭をもたげてきている。
今週末に開かれるECB(欧州中央銀行)会議も見極めたい。トリシエECB総裁は、インフレ懸念を繰り返しており、ECBが早晩利下げに踏み切る気配はない。米国では、利下げ打ち止め感が目先、出ているが、信用収縮が本復していないため、追加利下げの目も消えていない。そうなれば、米欧間の金利差は相変わらず縮まらない。
このところのドル相場は、欧州との金利差で動いている。年4.0%のEU(欧州連合)に対して、米国は年2.0%である。欧州が利下げなし、米国が追加利下げとなれば、リターンを求めて、自然の流れとして、お金は欧州へどうしても移動する。
NY株式市場では、原油相場が史上最高値に近づいたことから、インフレ懸念が台頭、先週末比88ドル下げ、12,969ドルと、再び13,000ドル台を割り込んだ。NYダウ値下がりには、ダウ採用銘柄のマイクロソフトがヤフー買収を断念したニュースも影響した。
ところで、日本はどうか。花見が終わり、早や5月、ゴールデンウイークたけなわである。その一方で、各地で凶悪犯罪が続いている。福田内閣の支持率が20%を割っても、マスコミも事荒立てる気配が全く見られない。日本人のノー天気振りが際立ってきた。(了)