ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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気迷い感の中、NYダウ7ドル安、ドル105.57円(学校で教えてくれない経済学)

2008-05-31 15:20:11 | 経済学
 シカゴ商品取引所の正面玄関に、淀屋が世界で始めて開発した米先物取引のシステムに習って作られたと書いたプレートが置かれているそうだ。いまや、そのシカゴが世界の商品相場をリードしている。是非、この目で確かめたいが、なかなかそのチャンスがない。
 何でもアメリカの時代である。特に、日本人はアメリカに弱い。アメリカが、食料のトウモロコシを原料にエタノール生産を、国を挙げて奨励した結果、トウモロコシの値段は3倍に値上がりした。連鎖反応を起こして、小麦、大豆なども2倍、3倍になった。
 今朝の読売新聞に、ベルギーのフランドル地方政府が、「食糧危機に拍車をかける」と、公営バスのバイオ燃料使用を5月22日から全路線で無期限停止した。「食糧が足りないときにトウモロコシを燃料に使うのは誤り」とダーリング英財務相は語ったと紹介している。
 バイオ燃料は、温室効果ガスの排出量が少ないという謳い文句に日本も追随している。石油や石炭の化石燃料は排気ガスで空気を汚すが、放射能を出すが、排気ガスをださないからということで、「きれいな」原子力発電を見直すべきだという声が欧米で強くなってきた。
 今朝の日本経済新聞に、日経商品指数42種が、27年ぶり高値と出ていた。指数押し上げの要因は石油である。ポリステルなどの合成繊維も合繊原料高騰を受けて値上がりしたと紹介していた。合繊メーカーは、石油の値段が2倍になっても、値上げできなかったが、このままでは、命にかかわるから、遅まきながら、値上げに踏み切ったのであろう。
 NY原油先物(WTI)市場で、5月30日、バレル73セント値上がりし、127.35ドルで取引を終了した。原油相場は、供給不安を材料に、バレル135ドルまで値上がりしたが、調整をいれている。中国、インドなどが、値段関係なしに、石油を買いあさっている限り、大幅な値下がりはどう見ても期待し難い。
 NY外国為替市場で、1ユーロ=1.5540ドル、1ドル=105.57ドルとドル堅調の地合いのまま、小動きで推移した。次回FOMCの会合で、短期の目標金利のFFレートを据え置き、インフレ懸念を表に出して、追加利上げを打ち消すとの思惑がドル堅調を支えている。
 NY債券市場で、前日の売りの買戻し優先の流れから値を戻したが、10年物国債利回りは、年4.05%をキープしている。債券に積極的な買いがはいり難いのは、ミシガン大学消調べの消費者センチメントで、インフレ率が、1年先5.2%(1982年来最高)、5年先3.4%(同1995年来最高)が影響していると今朝のWSJ紙は紹介している。
 NY株式市場で、気迷い感の中、前日比7.9ドル、0.1%、値下がり、12,638ドルで取引を終了した。ハイテク株が主なナスダック総合指数は、14ポイント、0.6%下げ、1,522ポイントで取引された。何事もそうだが気が進まないときは、敬遠したくなるからだろう。
 日本に生活しているとさして気にも留めないが、世界各地で食糧が手に入らないということで暴動が多発している。何時、戦争が起こってもおかしくないというきな臭い匂いをかぎつけている人も増えてきた。自衛隊機を中国に飛ばすことを決めたと一斉にマスコミは流した。ところが、中国でインターネットによる反撃を喰らい、白紙撤回する醜態を演じた。
 リーダー不在は、何処の世界でも致命的だ。中でも日本には国にリーダーがいない。米国の言いなりになり、中国にも右顧左眄している。シートベルトを緩めることは出来ない。(了)

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