アポンビューラベンダー
江嵜企画代表・Ken
神戸三宮へ出ると、フラワーショップ「潤」を尋ねるのが習いとなった。木曜日は、新しい花が入荷する日である。木曜日は値段も安い。それはもう心得たもので、午後3時前だったが、お店の前は、ご婦人客で一杯だった。
次々と菜園から軽トラックで運ばれてきたケースに入った花が、車から下ろされ、店内の棚に、手際よく並べられる。その都度、わーっとか、おーっとか、歓声が上がる。
いろいろな花に混じって、紫陽花が早くも入荷してきた。おや、何の花かなと、覗き込んだら、アポンビューラベンダーと札に書いてある花を見つけた。
ラベンダーの花にもいろいろな種類があるらしい。聞いたこともない名前だったので、帰宅して、花辞典を引いたら、しそ科、原産地は地中海からインドで、香料の原料として、古来より有名であると出ていた。
ラベンダーと言えば北海道のラベンダー畑が有名だが、身近に花や茎を手にとってしげしげ眺めたのは、生まれて、はじめてだった。
これも一つのスケッチの効用かもしれない。 木曜日に買い、日曜日の今日まで少し寝かせて、先ほど、 彩色して仕上げた。拡大してA4サイズの額に入れ、例の喫茶「いけだ」に飾ってもらうべく、届けてきた。
店のマスターによれば、花のスケッチは客人にも、結構、人気があるという。商売の足しには、とてもなるまいが、少しでも多くの人の目に、自分の作品を、曝すことは、自らを鍛える上でもプラスになると自画自賛している次第である。(了)