ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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NY原油132ドル、ユーロ1.577ドル、ドル103円(学校で教えてくれない経済学)

2008-05-24 20:09:21 | 経済学
 「ユーロへの挑戦」(京都大学学術出版会発行)(H.ティートマイヤー、ドイツ連邦銀行元総裁著〉は、1999年1月、ユーロ誕生までの内幕をつぶさに語る優れ物の著書である。
 2008年5月23日、NY外国為替市場で、ユーロは、1ユーロ=1.5772ドル、1ドル=103円で取引された。ユーロ誕生後、紆余曲折はあったが、2000年3月、ユーロは、一時、1ユーロ=0.82ドル(88円)で取引された。現在の相場は、対ユーロで見れば、ドルは、ほぼ半値水準まで値下がりしたことになる。半値8掛け2割引きだけは勘弁して欲しい。
今にはじまったことではないが、米国ではインフレ懸念がここへ来て盛んに取り沙汰されている。インフレとはドル建て価格の上昇である。値上げは、ドル目減りを防ぐ自然現象だ。米FRBが追加利下げに消極的なのもこれ以上のドル値下がりを止めるためであろう。
原油相場は、インフレの反面教師である。NY原油(WTI)先物相場は、5月23日、バレル132ドル台で取引された。一時、バレル135ドルの史上最高値を突破したあと、若干の調整を入れているが、先高感は,依然、衰えていない。
原油相場は、中国が2003年から原油輸入を積極化するまでは、ほぼ30年間、バレル15ドル前後を低迷していた。原油相場は、ここへ来て、再び騰勢を強めている。これには、5月12日、中国四川省を襲ったマグニチュード7.9の大地震が大いに影響している。
 2008年8月、中国悲願の北京オリンピックが始まる。中国政府は、昨年11月、燃料及び電力用ディーゼル原油の輸入関税を6%から2%へ、さらに今年1月、1%へ引き下げた。中国の今年5月のディーゼル油輸入は前年同月比8倍を記録した。
中国の国内石油企業は、17%の付加価値税を6月まで免除される。大量の駆け込み輸入があって自然である。未確認情報ながら、原子力発電所での放射能漏れを怖れて、原油、天然ガスによる発電へ一部シフト、そのため、輸入需要が急拡大していると伝えられる。
国際エネルギー機関(IEA)は、現在日量8,700万バレルの原油生産が2030年に、日量1億1,600万バレルと予測しているが、生産を日量1,250万バレ増やすことが出来なければ需給ギャップが発生すると指摘している。IEAは2004年からの中国の原油輸入急増と2008年の年初からの40%近い値上がりを予測出来なかった。いずれも中国がらみだ。
米国は、日量2,000万バレルを消費する世界最大の消費国である。その一方、日量730万バレル、世界原油の8%を生産する世界第三位の産油国である。IEAは2015年までに日量840万バレル増えると予測しているが、アラスカ油田次第である。しかも、消費の6割強を輸入する輸入大国である構造に変化の兆しは見られない。
American Airlinesが、5月21日、手荷物料金を1個につき15ドル徴収すると発表した。ガソリンのガロン4ドル突破は時間の問題である。米自動車業界に買い控えが起るとして、5月23日のNY株式市場では、航空会社株、自動車株が、軒並み大幅値下がりした。
非OPEC産油国であるロシア〈世界シエア12%〉、メキシコ〈同4%〉の油田老朽化が深刻、OPEC(同40%)は、利益優先で新たな油田開発に消極的だと,IEAは指摘した。
ドルの目減りは、中長期トレンドで見て、続くだろう。原油供給に不安が残る。「150ドル原油は、投機家の仕業だ」でめしが食える評論家はいい。生身の人間には許されない。(了)

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