ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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米雇用統計好感、NY原油バレル116ドルへ反発(学校で教えてくれない経済学)

2008-05-03 08:11:05 | 経済学
 「白いハナミズキの大きな木に、紫色のテッセンが絡み、その下に多分、モッコウバラと思うのですが、とげのない黄色い小さなバラが溢れるように咲いておりました。あまりにもきれいだったのでお便りしました。」 ご近所の方から、そんな便りをいただいたので、早速、出かけた。 
 桜の季節が終わり、木蓮の花も散ったが、May Flower(メイフラワー)とはよくいったもので、5月にはいった、今日このごろ、街中でも、家々の軒先から、いろいろな花が、眼を楽しませてくれる季節になった。
 神戸では、震災後13年以上たった今も残る空き地に、雑草が生い茂っている。雑草という名の草はない、とは昭和天皇の言葉である。雑草を広辞苑で引くと、自然に生えるいろいろな草と出ていた。水も肥やしもやらずとも、自然に草は生えてくる。植物は本当にたくましい。「植物人間」という言葉ほど、植物を侮蔑した言葉はないと常々思っている。
 メイフラワーを広辞苑で引くと、1620年イギリスからアメリカ大陸へ移住した清教徒ピルグリム・ファーザーズを運んだ船の名と出ていた。長い冬を終えて一斉に花開くそんな心意気を船の名に託したに違いない。
 いまアメリカという国は、サブプライムローン問題で呻吟している。米FRB(連邦準備銀行理事会)は、5月2日、ECB(欧州中央委員会)、スイス中央銀行と共に、資金繰りに苦しむ金融機関に、都合1500億ドル(約15.6兆円)、ドル資金を供給すると発表した。
 米FRBは、政策金利であるFFレートを年2.0%まで引き下げた。しかし、金融機関は、貸し渋り、貸しはがしをやめようとしない。返済のメドがたたない相手に安心して貸せないからであろう。欧米中央銀行が「輸血」して、金融不安食い止めに執念を燃やしている。
米労働省は、5月2日、4月の雇用が3月から2万人減と発表した。ただ、失業率は5.1%から5.0%へ改善した。エコノミストは、雇用が8.5万減と予測していた。予測がはずれて、「サプライズ」だということで、一部であるが、米景気見通しに楽観的見方が出てきた。
NY原油先物〈6月物〉市場で、米雇用統計を好感、WTI(軽質油)相場が、バレル3.80ドル値上がりし、116.32ドルで取引された。ブレント(重質油)は、つれて上げ、バレル114.67で取引された。
原油相場は、ドル相場下落を見越して、史上最高値バレル119.97ドルまで上げた後、調整していた。米国景気が、最悪の事態を脱したとなれば、米FRBが利下げ打ち止めする。「金利」が相場の材料にならない。「ファンダメンタルズ」(需給)に「物差し」を変えるだろうと、今朝のWSJ紙は一部アナリストの見方を紹介している。
NY外国為替市場に於いても、米雇用統計を好感、ドルは、底堅く、1ユーロ=1.5421ドル、1ドル=105.20円で取引された。
アメリカ人は足元を蚊が刺した程度ではびくともしない。しかし、のど元を食いちぎられると判断すると猛然と挑みかかってくる。太平洋戦争でも、日米繊維交渉の過程でもそうだった。サブプライムローン問題でもそれは同じで、最悪の事態は回避されるかもしれない。
モッコウバラが溢れるように咲いていた。花からエネルギーを満喫した次第である。(了)

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