
テッセン(クレマチス)
江嵜企画代表・Ken
いつもの散歩コースにある、ご近所の庭にテッセン(クリマチス)が咲いている。描こう、描こうと思っている間に、一週間以上が過ぎてしまった。
人の命も短いが、花の命は、もっと短い。少し目をそらしている隙に、盛りを過ぎてしまう。この日も、くだんのお宅で、描いてくれと、言わんばかりに、テッセンが咲いていた。
神戸もここ数日、季節はずれで薄ら寒く、天候不順である。今にも雨が降りそうだったが、そうだ、と思い立って、スケッチブックを小脇に抱えて表に出た。描き始めたとたん、案の定,ぽつぽつ降って来た。ここを逃がせば描けなくなる。えい、ままよと、急いで描いた。よって出来ぶりはよくない。自宅で彩色した。
中国四川省で、M7.8の大地震が起こった。時間の経過と共に、伝えられる被害状況に言葉もない。神戸も13年前に手ひどい被害を受けた。しかし、今回の中国の被害は、神戸の比ではなさそうだ。
「てっせん」を広辞苑で引いた。①鉄の針金、②キンポウゲ科の落葉蔓草とある。原産は中国。中国名で「鉄線蓮」と書く。根は「威霊仙」といい、鎮痛剤に使うとある。
ヤフーのブログで調べたら、中国中部が原産とあった。つい今回の大地震と重ね合はせてしまい、胸が痛む。
ヤフーによれば、江戸時代初期に、渡来した。テッセンの人気は高く、浮世絵に描かれたり、寺院の天井絵を飾ったり、着物の柄にもなったそうだ。
日本にも野生種が14種ある。ヨーロッパで作られたのがクレマチスである。明治から大正時代にかけて紹介された。
花言葉は「高潔」。言葉にたがわず凛としている。花もいいが、枝ぶりも大いに気に入っている。好きな花のひとつである。(了)