ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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NY原油126ドル、NYダウ52ドル高、ドル105.48円(学校で教えてくれない経済学)

2008-05-30 08:49:30 | 経済学
 「泣く子と地頭には勝てぬ。」広辞苑によれば、「道理を以って争っても勝ち目のないことにいう。泣く子のききわけのないことを、鎌倉時代の地頭の横暴なことにかけていったもの」とある。「泣く子も黙る」ということわざもある。同じく広辞苑によれば、「泣いている子も泣き止んで黙ってしまうほどの恐ろしい存在であることのたとえ」とある。
 ゴールドマン・サックスのアナリスト、アージュン・マーティ氏らのグループが、「1バレル=200ドル原油もありうる」との予測を発表したのは、3月25日である。同社は、3年前、1バレル=100ドル原油を予測して、そのとおりになった。
 子供が一端泣き出すと手がつけられない。泣く子と原油には勝てないと、原油が150ドル、200ドルと、天井知らずに値上がりしたら、日本は、資源のほぼ100%を輸入しているから、生きていけない。原油が暴騰し、石炭が追随、小麦、トウモロコシが2倍、米が3倍になれば、正に「泣く子も黙る」事態である。
その原油相場が、NY原油(WTI・軽質油)が、5月29日、バレル4.41ドル、3.4%下げ、126.62ドル、北海ブレント(重質油)も下げ、バレル126.89ドルでそれぞれ取引を終了した。高値からほぼバレル10ドル値下がりしたことになる。
EIA(米エネルギー情報局)は、5月23日締めの米国の原油在庫は、日量890万バレル減少したと発表した。本来在庫が減れば相場は反発する。WTI相場は、一端、バレル133.12ドルまで急騰した後、ガソリン需要の先細りを見越した動きであるとして急落した。
ただ、50ドル上げて、10ドル下げたにすぎない。これは通常の調整だとのIAFアドバイザー社、アナリスト、Kyle Cooper氏は話したと今朝のWSJ紙は紹介している。 
原油相場急落のニュースに対して、株式、為替、債券市場がそれぞれ反応した。
NY株式市場では、NYダウは、前日比52ドル、0.4%高、12,646ドルで取引を終了した。米商務省は、今年1~3月の米GDPデータを、0.6%増を0.9%増へ上方修正したことも株価押し上げを助けたとWSJ紙は解説している。
NY外国為替市場では、原油相場急落を材料に、株高、債券安が進み、つれてドルが買われ、1ユーロ=1.5517ドル1ドル=105.48ドルで取引された。ドルは、一時、1ユーロ=1.5485ドル、1ドル=105.88円まで値上がりした。
米ダラス連銀のRichiardFishier総裁が、「米国経済は貧血状態(anemic)であるが、インフレ懸念があり、早晩、利上げが必要になる」と発言した。米FRBが、利下げ打ち止めから利上げ賛成に変われば、利下げを材料にして、ドルが売られていた地合いが好転するとの読みが、このところのドル堅調の相場を支えている。
NY債券市場では、原油安、株高、GDPデータ、連銀フィッシャー総裁の利上げ期待発言を受けて売られた(利回りは上昇した)。10年物国債の利回りは、年4.08%、5年物3.41%、2年物2.68%とそれぞれ上昇した。債券相場はインフレの匂いに敏感に反応する。
「休むも相場」という格言がある。人間のからだも同じで、寝が足らないとどうしても不機嫌になる。寝つきが悪くなるときは、病気の前兆であることが多い。原油126ドルは、相場が休みたがっているのかもしれない。適宜、休みを取ることが、健康の秘訣である。(了)

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