ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

ドル先安懸念からNY原油69ドル台、NY金955ドル(学校で教えてくれない経済学)

2009-08-01 12:59:47 | 経済学
“Bond Worry:Will China Keep Buying?”(債券懸念:中国は買い続けるか?)というタイトルで、Liz Rappaport記者、James T.Aredoy記者が7月31日付けのWSJ紙に書いた。

28日に閉幕した米中戦略対話では、米中の蜜月ぶりを盛んに演出した記事が日本の新聞にも紹介されていた。中国の新聞でもウイグル問題に米国が理解を示したとか、人民元問題にも触れなかったと、米国が中国に理解を示したとする記事が出たと報じられる。

先のWSJ紙を読むと、今週、米財務省による1年未満満期の2,000億ドル規模の米国国債の入札に中国の姿がなかった。米国は1兆8,000億ドル(約170兆円)の国債発行の予定である。中国その他の外国人に、米国債を買ってもらわないと肝心の7,840億ドルの景気対策も機能しないから心配だと書いている。

7月31日、NY外国為替市場で、ドルが売られ、1ユーロ=1.4280ドルで取引された。前日は1ユーロ=1.4071ドルだった。ドルは対英ポンド、対スイスフランでも売られた。米商務省は4~6月期のGDPが1%減との発表で日本円やスイスフランへ資金が流れたとする指摘があるとWSJ紙が紹介していた。

IMFが発表したヨーロッパに関するレポートの中で、ドルは「やや割高である(moderately overvalued)」と指摘したこともこの日のドル売りを刺激したとWSJ紙は書いていた。NY金先物市場で、オンス18ドル上げ955.80ドルで取引された。人間も所詮動物だ。動物が怯えるとなんでもありになるから怖い。金融危機も怯えから来た。

ドルが売られたことを材料に、NY原油(WTI)相場が前日に続いて値を上げ、前日比バレル2.51ドル、3.8%高、69.45ドルで取引された。2日前は63ドル台へ急落していた。ドル先安と見た投機資金が再び金、原油など商品相場へ還流してきたようだ。

日本では、為替の話は、海外旅行に出かけるときに話題にされるが、帰国すると他人事である。企業でも為替は財務の仕事だと涼しい顔をしている経営者が多い。トヨタの様な世界に冠たる企業のトップでさえ予想外の円高のため赤字になったと責任を取らない。

米国の赤字が増えたのは人民元が安すぎるためだというのが一貫した米国の主張だった。今回の米中戦略会議では人民元切り上げ話は出なかった。人権問題も環境問題も封印した。いまの米国は、米国国債を中国に買い続けてもらうことで頭が一杯なのではないか。金の切れ目が縁の切れ目である。遂に米国は中国に首根っこをつかまれてしまった。

WSJ紙の記事は、米国が今直面している問題で、米国政府の胸の内を表している。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする