キャサリ―ン・アンダーセン邸風景
江嵜企画代表・Ken
「橋村萬象展」のあと、やや急な上り坂を徒歩15分、8月30日まで一般公開中のキャサリ―ン・アンダーセン邸まで足を延ばした。その時たまたま訪問客もなく、前回時間がなくて描けなかった中庭からの風景をスケッチすることが出来幸いだった。
邸内の落ち着いた雰囲気もいいが、庭に下りての眺めもなかなかのものである。絵心を大いに刺激された。炎天下だったが、暑さも忘れて夢中になって描いた。邸正面からは気付かなかったが、サルスベリが丁度満開で木々の緑に色どりを添えていた。
背中でツクツクボーシ、ツクツクボーシと盛んに鳴いていた。神戸にも秋が確実に忍び寄って来ている。建物左奥に煉瓦が積み上げられている一角が見えた。その前にプレートがあった。そこには15年前の阪神淡路大震災の時、三本の煙突全てが落下、地面につき刺さった。そのうちの一本を修復したものと説明にあった。
キャサリ―ン・アンダーセン邸は、今から110年前の1899年に建てられた。棕櫚と蘇鉄は建設当時のままの位置に植えられている。建物は色々の人の手を経て震災を迎えた。画家の安藤岬氏との縁に恵まれ見事再建、中庭も美しく整備された。一般公開は8月30日とあと10日足らずに迫っている。神戸を訪れる機会のある方には、お勧めのスポットの一つであろう。(了)