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先高と見て、原油一時72ドル台、NYダウ114ドル高(学校で教えてくれない経済学)

2009-08-04 08:54:56 | 経済学
餌を釣り針にぶら下げて、少しずつ、下へではなく、上へ上へ上げてやれば、魚は飛びつく。これと似た現象が、株式市場や原油などの商品市場でいま起こっている。実態経済の悪さは変わっていない。先高と見て、魚と同じで人間様も、餌に飛びつく構図である。

NY原油(WTI)先物相場が、8月3日、一時バレル72ドル台まで値を上げ、71.58ドルで取引を終了した。今朝のCNBCテレビを見ていたら、原油はドル相場に連動して上下しているから、ドル先安が続けばバレル100ドルも十分ありうるというアナリストが番組に出ていた。

ドル相場を表す指標に6主要通貨バスケット・インデックスがある。現在、79前後まで下げている。世界経済が悪化の過程では、むしろ米ドルは安全パイとして買われていた。それが世界景気が底割れしないという楽観論が出てきた結果ドルに先安観が台頭している。

原油はドル建てで取引される。ドルの値打ちが下がれば、目減りを防ぐため値段を上げようとする作用が働く。結果、資金が米ドルから高い利回りのユーロや資源国通貨へ流れ、ドル相場が値下がりする。

NY外国為替市場で、ゼロ金利同然のドルが、利回りの高いユーロに対して売られ、1ユーロ=1.4412ドル前後で取引された。ゼロ金利の元祖の円も売られた。日本円は、対ドルで1ドル=95.28~29円、対ユーロで、1ユーロ=137.28~38円まで値下がりした。

原油が買われた背景に、ドル先安懸念もあるが、中国の景況感を示すCLSA PMIデ―タが4ケ月連続で改善、6月の51.8から7月に52.8へ拡大したことが指摘できる。中国株が景況感指数改善を材料に大幅に値上がりした。

先のCNBCテレビではマーケットは、中国買いを過小評価していたと指摘するアナリストの意見を紹介していた。ドルが値下がりし、中国が原油を買ってくれれば、投機資金にとっては思う壺であろう。行き場を失った投機資金が株、商品へ流れ込む気配が出て来た。

NHK・BS「おはよう世界」が紹介するブルームバーグは、8月3日、NYダウは、114ドル高、9,286ドル、ナスダック指数は2,008 へ10ケ月振りの高値、S&P500平均株価指数が1,002ポイントへ昨年11月来の高値まで回復と伝え、米国景況感を示すISM指数がアナリストの予測を上回って改善したことが相場上昇を支援したと解説していた。

日本ではデパートなど小売でバーゲンオンパレードである。値下げしても、先安と見て、むしろ客は買わない。この当たり前のことに気付かないと、自ら墓穴を掘るだろう。(了)

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