第91回夏の甲子園開会式風景
江嵜企画代表・Ken
阪神甲子園球場に朝8時前に着いた。開会式は9時に始まる。内野席の切符売り場には「売り切れ」の札がぶら下がっていた。それと異様なほどの人だかりである。止むなく外野へ回った。
なんと外野席の入場門にも長い行列が出来ていた。開会式に皇太子殿下がお見えになるということで、ひとりひとりに空港なみの厳格な手荷物検査が行われていることが原因だと分かった。
レフトスタンド最上段に席をとった。いつものように球場風景のスケッチをはじめた。国旗、大会旗を運ぶ西宮市立西宮高校の女子生徒がセンター方向へ行進する姿を入れて仕上げた。
皇太子殿下が貴賓席に軽く会釈して座られるのが見えた。殿下の挨拶は「新しく改装された阪神甲子園球場で」という言葉ではじまった。「将来を担う多くの若者がフエアプレー精神で戦うことを通じて、本大会が、多くの青少年に果たした役割は大きい」と続いた。そして「私が9歳の時ですが、愛媛の松山商業と青森の三沢との2日間にわたった決勝戦は忘れられません」と少年時代のエピソードも殿下は紹介された。
開会式だけ見て帰宅した。あとでわかったが選手宣誓が原稿を読みながら行われたことや皇太子殿下が第一試合の常総学院対九州国際大付属の試合をご覧になられたことも知った。
70年ぶりに甲子園に出て来た地元兵庫代表の関西学院の入場行進には観衆から大きな声援が送られた。8月15日は終戦記念日である。70年前の昭和14年(1939)5月11日に日本はノモハン事件を起こした。その年の9月1日に第二次世界大戦がはじまった。そのご日本は日独伊三国同盟を結び、泥沼の戦争に巻き込まれていった。
戦争で350万ともいわれる日本人が尊い命を失った。今もなお毎日のようにアフガニスタンでの紛争で欧米人の命が奪われている。日本と言う国がいかに恵まれているかということを自らにも改めて言い聞かせ、ひとりでも多くの日本の若者に伝えることが年長者のつとめだと思いながら甲子園を後にした次第である。(了)