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為替取引、一日4兆ドル、BIS発表、所詮、妖怪の世界である(学校で教えてくれない経済学)

2010-09-02 08:06:00 | 経済学
国際決済銀行(BIS:the Bank for International Settlements)の1日発表によれば、10年4月時点の世界の1日当りの為替取引高は、平均4兆ドルと今朝のWSJ紙は伝えた。BISは3年おきに調査している。前回2007年の3.3兆ドルから20%増加した。

この内へッジファンドと年金ファンド合計で1.9兆ドルと42%増加、一方、銀行のディ―ラ―間取引は1.5兆ドルで11%増と小幅の伸びにとどまった。ヘッジファンドなど投機資金による取引の急増には日本円取引の増加が影響したと指摘していた。

取引高の市場別トップは英国で1兆8,536億ドル、2位米国9,044億ドル、3位は日本市場で3,123億ドル、前回3位のスイスを抜いた。通貨別シエアでは米ドルが84.9%占めてトップだが、3年前の85.6% から低下した。2位はユーロで、37% から39.1%へ増加した。

米ドルの対豪州ドル取引が35% 増、同カナダドルが44% 増で商品市場での取引の増加がこれら資源通貨の取引を増加させた。対英ポンドは6% 減、対ユーロの取引は23%増加したと報告している。米国株式市場での取引は、3年前の1,480億ドル/日から1,340億ドル/日へ減った。米国債の取引も5,700億ドル/日から4,560億ドル/日へ減った。

日本ではドル安・円高が進むとなぜ円売り・ドル買い介入を日本政府はやらないのかと新聞で叩かれる。外国為替市場で一日4兆ドル、日本市場だけでも3,123億ドル(1ドル=84円換算:約26兆円)である。口先介入だけでなく、仮に実弾でドル買い・円売り介入をやっても、ご本尊のアメリカさんがドルを垂れ流しているのだから、所詮、気休めにすぎない。線香花火に終わるだろう。

一方、1日のNY株式市場は、前日比254ドル、2.54%高、10,269ドルで取引を終了した。WSJ紙によれば、キャタピラーの4.8%上げたことが象徴しているように、オーストラリア、中国の経済指標が予想外に良い数字を出したこととアジア株、欧州株の反発の地合いをNYも引き継いだと解説していた。

NHK・BS「おはよう世界」の紹介するブル-ムバーグに出演したあるディーラーは、8月相場が9年ぶりの安値に反落した。「相場は余りにも激しく上下している。今は、上げか下げかを見極めたい。買うつもりはない」と明言していた。WSJ紙は、あるアセットマネジャーは、「今日の上げは、あくまでFlavour(味付け)のようなものに過ぎない。週末の雇用統計を見た上でないと動けない」と話したと紹介していた。

日本人が株嫌いなのも、昨日は投げ売り、朝になると大幅高だ。「さっぱりわからない」という世界だからついていけないのである。繰り返して恐縮だが、人間が取引していると思うと腹が立つ。鳥が取引していると思えば分かり易い。

特に外国為替市場は、一日、4兆ドル取引される魑魅魍魎の妖怪の世界である。今朝のBISデータはその意味でも、ドル安・円高問題を頭を冷やして考える一つの資料を提供してくれたことだけは確かである。(了)

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