(学校で教えてくれない経済学)
米ブルームバーグニュースは、NHK・BS「おはよう世界」が、わずか5分足らずで紹介する。その日一日の株価や米国経済の動きを手短に伝えてくれる。3日の放送では、NY平均株価が8月の雇用統計が予想より良かったとして前日比127ドル高、10,447ドルで取率は引を終了した。一方、原油相場は、前日比下げてバレル74.33ドルで取引された。
なぜ株価が上げ、原油は下げたのか。株価はいままで、特に8月は大きく下げた。売られ過ぎだった。その反動が出ている。一方、原油相場は、米国経済の実態は何も良くなっていない。雇用は予想11万減に対して5.4万減と減り方がおとなしくなったにすぎない。一方、原油需給は、経済の実態の悪さを反映して、在庫が記録的な高さを維持している。だから値下がりしたと明快だった。
3日のNY株式市場では、金融株の上げが目立った。米景気が少なくとも2番底は回避できそうだ。余りにも悲観しすぎだった。極端な悲観論が緩和した。その象徴として、金融株の代表のゴールドマン株が5.5% 上げた。これは金融機関の住宅ローン保証コストが減るとの思惑が買い材料に使われたと解説していた。
3日付けのWSJ紙は、8月の米雇用統計が予想ほど悪くなかったことを指摘する一方、ISMサービスセクターの8月指数が7月の54.3から51.5へ落ち、かつエコノミストの予測53.5を下回ったことから、米国経済は、万人が認めるまでに十分バラ色でないとの一部の専門家の見方を紹介していた。
サービスセクターの指数が低下したことを受けて、3日のNY外国為替市場は、雇用統計発表直後、1ドル=85.19円まで上げていたドルは同84.33円まで値下がりした。ドルは対ユーロについては、欧州経済は、ドイツがけん引する形で、米国より相対的に強いとの見方から、1ユーロ=1.2820ドルから同1.2896ドルまでドルは値下がりしたと伝えた。
WSJ紙は、OPECの生産が、少なくとも5~10年にかけては、OPECメンバーのコストが非OPECと比べてはるかに安いことから、増産傾向が続き、世界の原油消費国のOPEC依存度は高まるとのOPEC事務局の見解を紹介していた。OPECは14日ウイ―ン総会で3月17日に決めた生産割り当て数量は据え置かれる見通しである。OPECは、2010年の世界の原油消費量は1.8百万バレル/日増の8,660万バレル/日と予測とWSJ紙は伝えていた。
帝国データバンクが3日発表した「円高企業意識」は、円高が売り上げに「悪影響を与える」36.7%,「影響ない」34.9%、「好影響」6.9% だったと各紙が伝えた。円高は全て悪、円安は全て善と日本では伝えられる。ところが、こういうデータを見ると、必ずしも、世の中真っ暗闇でないことだけは確かなようだ。(了)
米ブルームバーグニュースは、NHK・BS「おはよう世界」が、わずか5分足らずで紹介する。その日一日の株価や米国経済の動きを手短に伝えてくれる。3日の放送では、NY平均株価が8月の雇用統計が予想より良かったとして前日比127ドル高、10,447ドルで取率は引を終了した。一方、原油相場は、前日比下げてバレル74.33ドルで取引された。
なぜ株価が上げ、原油は下げたのか。株価はいままで、特に8月は大きく下げた。売られ過ぎだった。その反動が出ている。一方、原油相場は、米国経済の実態は何も良くなっていない。雇用は予想11万減に対して5.4万減と減り方がおとなしくなったにすぎない。一方、原油需給は、経済の実態の悪さを反映して、在庫が記録的な高さを維持している。だから値下がりしたと明快だった。
3日のNY株式市場では、金融株の上げが目立った。米景気が少なくとも2番底は回避できそうだ。余りにも悲観しすぎだった。極端な悲観論が緩和した。その象徴として、金融株の代表のゴールドマン株が5.5% 上げた。これは金融機関の住宅ローン保証コストが減るとの思惑が買い材料に使われたと解説していた。
3日付けのWSJ紙は、8月の米雇用統計が予想ほど悪くなかったことを指摘する一方、ISMサービスセクターの8月指数が7月の54.3から51.5へ落ち、かつエコノミストの予測53.5を下回ったことから、米国経済は、万人が認めるまでに十分バラ色でないとの一部の専門家の見方を紹介していた。
サービスセクターの指数が低下したことを受けて、3日のNY外国為替市場は、雇用統計発表直後、1ドル=85.19円まで上げていたドルは同84.33円まで値下がりした。ドルは対ユーロについては、欧州経済は、ドイツがけん引する形で、米国より相対的に強いとの見方から、1ユーロ=1.2820ドルから同1.2896ドルまでドルは値下がりしたと伝えた。
WSJ紙は、OPECの生産が、少なくとも5~10年にかけては、OPECメンバーのコストが非OPECと比べてはるかに安いことから、増産傾向が続き、世界の原油消費国のOPEC依存度は高まるとのOPEC事務局の見解を紹介していた。OPECは14日ウイ―ン総会で3月17日に決めた生産割り当て数量は据え置かれる見通しである。OPECは、2010年の世界の原油消費量は1.8百万バレル/日増の8,660万バレル/日と予測とWSJ紙は伝えていた。
帝国データバンクが3日発表した「円高企業意識」は、円高が売り上げに「悪影響を与える」36.7%,「影響ない」34.9%、「好影響」6.9% だったと各紙が伝えた。円高は全て悪、円安は全て善と日本では伝えられる。ところが、こういうデータを見ると、必ずしも、世の中真っ暗闇でないことだけは確かなようだ。(了)