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銀相場,が80年10月来の高値、ドル先安観測が背景(学校で教えてくれない経済学)

2010-09-18 11:59:42 | 経済学
銀相場が1980年10月来の高値を付けたと16日付けのWSJ紙が取り上げていた。人の目は金相場に向きがちであるが、今年に入り金先物相場は16%上げたが、銀は23%値上がりしている。特に銀は今週だけで4.8%値上りしてトロイオンス20.685ドルを記録した。

金相場の値上リも銀相場の値上がりも、米国がリセッセンション対策として、資金供給をさらに増やすことを決めたことが背景にあるとこの日のWSJ紙は指摘していた。日本円が一時1ドル=82円台に突入したのも、同じ理由が働いた。欧米でお札をじゃんじゃん刷ればペーパーマネ―の価値が下がり続けると投資家が読んだからだろう。

米サンアントニオ在住の投資家、ChadT.MxNair氏が「ドルには何ひとつの価値もない。中でも銀はエレクトロニクス、写真、宝石と産業と宝飾用両面から恩恵を受ける。」と語った。景気もいずれ良くなる。そうなれば産業用の需要が増えるとWSJ紙は書いていた。

ヘッジファンドが、2010年の半ばから、彼らのポートフォリオに銀先物投資を増やし始めたことも銀相場押し上げを助けた。米コネチカットOrange社CEO,PaulDietrich氏は、「機関投資家に加えて、最近ではiSharesTrustなど年金ファンドが銀先物投資に参入して来た。」と語ったとWSJ紙は紹介していた。

アメリカイーグルコインは昨年まで値下がりしていた。今年に入り売り上げが47%増えた。コイン相場は今年上半期で17%値上がりした。一方正規の銀相場の急騰ぶりを見て、矛先は既にジャンク・シルバーに向っていると書いていたから、かれらは実に変わり身が早い。

変わり身が早いと言うことでは、シルバー投資は金と比べてはるかにリスクが高い。金と比べて変動幅が大きい。銀相場は値上がりした。しかし、銀の手持ち残高は昨年50%増えたが今年は6%増に留まっている。鳥の世界と同じで彼らは決して腹一杯喰わない。食べ過ぎが健康に一番良くないことを体感しているのであろう。変わり身が早く、食べ過ぎない。

1980年10月15日に銀相場はトロイオンス20.98ドルの史上最高値を更新した。インフレ率を勘案すれば現在55.94ドルになるという。インフレとはドルの目減りを意味する。銀の値上がりも円の値上がりもドルの値打ちが剥落した結果である。「弱いドル」の鏡に映った二セ物の姿と思えばいい。ドルの病根を絶たない限り日本の「為替介入」も機能しない。

16日のCNBC電子版に、15日付けのNYタイムズが「日本企業が強い円を味方にして、欧米企業を次々買収している。代表企業として楽天、次にNTT,三井物産などの総合商社が積極的にM&Aを展開している。彼らは円が高い内に商圏拡大することを狙っている。」と指摘した記事を紹介していた。「鬼(円安)の来ぬ間に洗濯」を見事に実践している。(了)

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