9月の米国消費者信頼感指数が、28日発表された。それが予想外に悪かったことから、米景気に先行き不安が強まり、米FRBが追加の金融緩和を実施するという連想が働いた。米景気指数では、信頼感指数以外にも住宅価格指数、失業保険申請件数も予想を裏切った。
「金融緩和」とは、お金をさらにジャブジャブにすることである。その結果、ドルが売られた。一方、債券が買われて、利回りが下がり、10年物米国債で年2.45%まで低下した。株価は景気悪化懸念より、「金融緩和」を歓迎した。28日のNYダウは、前日比46ドル高、10,858ドルで取引を終えた。
ドルを売って何を買うか。まずユーロ、次に円が買われた。スイスフラン、英国ポンド、豪ドルも買われた。特に対円では、日本の「介入」以来初の83円台までドルは値下がりした。対ユーロでは4月以来のドル安値の1ユーロ=1.3580ドル台までドルが値下がりした。
ユーロが対ドルで買われた背景に、英国の4~6月期の生産が、在庫投資増に支えられて予想外に伸びたことも作用していると27日付けのWSJ紙は解説していた。ユーロの前途は必ずしも安泰ではない。今朝もアイルランド発行のソブリン債不安が報じられていた。不安を一杯抱えたユーロに対してさえも、ドルが売られたことを冷静に見ておく必要があるだろう。円だけが上がっているのではない。ドルが下がっているにすぎない。
ドルが下がると、安全資産として金が買われた。NY金先物相場が、終値で始めてのトロイオンス1,308ドルで取引されたと今朝のテレビ東京の番組のコメンテーターが紹介していた。金相場はインド買いもが影響していると27日付けのWSJ紙が詳しく紹介していた。
為替見通しにつて、テレビ東京にゲスト出演したJPモルガンの佐々木融氏は、「本日、日銀短観が発表される。日本企業の為替想定レートに注目している。しかし、「短観」では、大きな変化はないだろう。日本政府が83円台を見て、「円売り介入」を実施するかどうかを注目している。「介入」警戒感から一時的にドル買い戻しがあるかもしれない。しかし、ドル80円割れを予想している」と答えていた。
WSJ紙のインドの金買いの記事を紹介する。インドでは11月に夏の取り入れが終わり、収穫祭が予定されている。日ごろは節約しているインドの人は、この時とばかり「晴れ着」を身につける。そのため装飾用に金を買う。インドではこの時期、年間の金消費の30~40%を占めると書いていた。
昨年は水害の影響でインドは不作だった。そのため世界最大の金消費国インドの金消費量は年343トンにとどまった。それが今年は夏作が大豊作で、おまけにインドの企業業績も好調で株価も上げた。株と金が競争で上げている。今年は400~450トンへインドの金需要は大幅に増えるだろうと専門家は強気だとWSJ紙は紹介していた。
WSJ紙を読んでいると、この手の記事を素直に喜んで書いている。日本の新聞を読んでいると金相場が上がったり、株価が上がると、なにか悪いことでもしでかしている様な書き方をするから誠に不思議である。人の幸せを素直に喜ばない。
脱線ついでに言えば、日本人はいつの時代からか、人の幸せをやっかみ、ひとの不幸ばかりあげつらう情けない民族になり下がってしまった。とにかく人を褒めない。ありがとうと一言いえない大人が増えた。親がそうだから、子供がありがとうを言わない。親が挨拶が出来ないから、子供も挨拶ひとつ出来ない。日本で感謝ということばが死語になった。
話を戻す。日本政府は、誰の幸せのために「為替介入」をしているのか。日本は99%の資源を輸入に依存している。原油相場はバレル75ドル前後でこのところ安定しているが、いつまた鎌首をもたげて来るかも知れず安心できない。
ドル安・円高のお陰で、原油はドル建てだから割安に日本人は手に入れることが出来る。金相場もドル建てでは値上がりしているが、円ベースでは、上昇カーブはなだらかである。
余計なお世話と叱られそうだが、円高と原油安と猛暑が加わって電力会社は笑いが止まらないだろう。内心はマスコミの目が向かないようにびくびくしているかもしれない。いただきものを独り占めしないで、円高のおすそわけを一人一人の日本人にも分けていただきたい。
笑う門には福来る。思いきって電気代、ガス代を下げてくれれば、日本人にも笑顔が戻って来て、明るいお正月を迎えることが出来るだろう。マスコミももう少し庶民のために応援して欲しい。(了)
「金融緩和」とは、お金をさらにジャブジャブにすることである。その結果、ドルが売られた。一方、債券が買われて、利回りが下がり、10年物米国債で年2.45%まで低下した。株価は景気悪化懸念より、「金融緩和」を歓迎した。28日のNYダウは、前日比46ドル高、10,858ドルで取引を終えた。
ドルを売って何を買うか。まずユーロ、次に円が買われた。スイスフラン、英国ポンド、豪ドルも買われた。特に対円では、日本の「介入」以来初の83円台までドルは値下がりした。対ユーロでは4月以来のドル安値の1ユーロ=1.3580ドル台までドルが値下がりした。
ユーロが対ドルで買われた背景に、英国の4~6月期の生産が、在庫投資増に支えられて予想外に伸びたことも作用していると27日付けのWSJ紙は解説していた。ユーロの前途は必ずしも安泰ではない。今朝もアイルランド発行のソブリン債不安が報じられていた。不安を一杯抱えたユーロに対してさえも、ドルが売られたことを冷静に見ておく必要があるだろう。円だけが上がっているのではない。ドルが下がっているにすぎない。
ドルが下がると、安全資産として金が買われた。NY金先物相場が、終値で始めてのトロイオンス1,308ドルで取引されたと今朝のテレビ東京の番組のコメンテーターが紹介していた。金相場はインド買いもが影響していると27日付けのWSJ紙が詳しく紹介していた。
為替見通しにつて、テレビ東京にゲスト出演したJPモルガンの佐々木融氏は、「本日、日銀短観が発表される。日本企業の為替想定レートに注目している。しかし、「短観」では、大きな変化はないだろう。日本政府が83円台を見て、「円売り介入」を実施するかどうかを注目している。「介入」警戒感から一時的にドル買い戻しがあるかもしれない。しかし、ドル80円割れを予想している」と答えていた。
WSJ紙のインドの金買いの記事を紹介する。インドでは11月に夏の取り入れが終わり、収穫祭が予定されている。日ごろは節約しているインドの人は、この時とばかり「晴れ着」を身につける。そのため装飾用に金を買う。インドではこの時期、年間の金消費の30~40%を占めると書いていた。
昨年は水害の影響でインドは不作だった。そのため世界最大の金消費国インドの金消費量は年343トンにとどまった。それが今年は夏作が大豊作で、おまけにインドの企業業績も好調で株価も上げた。株と金が競争で上げている。今年は400~450トンへインドの金需要は大幅に増えるだろうと専門家は強気だとWSJ紙は紹介していた。
WSJ紙を読んでいると、この手の記事を素直に喜んで書いている。日本の新聞を読んでいると金相場が上がったり、株価が上がると、なにか悪いことでもしでかしている様な書き方をするから誠に不思議である。人の幸せを素直に喜ばない。
脱線ついでに言えば、日本人はいつの時代からか、人の幸せをやっかみ、ひとの不幸ばかりあげつらう情けない民族になり下がってしまった。とにかく人を褒めない。ありがとうと一言いえない大人が増えた。親がそうだから、子供がありがとうを言わない。親が挨拶が出来ないから、子供も挨拶ひとつ出来ない。日本で感謝ということばが死語になった。
話を戻す。日本政府は、誰の幸せのために「為替介入」をしているのか。日本は99%の資源を輸入に依存している。原油相場はバレル75ドル前後でこのところ安定しているが、いつまた鎌首をもたげて来るかも知れず安心できない。
ドル安・円高のお陰で、原油はドル建てだから割安に日本人は手に入れることが出来る。金相場もドル建てでは値上がりしているが、円ベースでは、上昇カーブはなだらかである。
余計なお世話と叱られそうだが、円高と原油安と猛暑が加わって電力会社は笑いが止まらないだろう。内心はマスコミの目が向かないようにびくびくしているかもしれない。いただきものを独り占めしないで、円高のおすそわけを一人一人の日本人にも分けていただきたい。
笑う門には福来る。思いきって電気代、ガス代を下げてくれれば、日本人にも笑顔が戻って来て、明るいお正月を迎えることが出来るだろう。マスコミももう少し庶民のために応援して欲しい。(了)