(学校で教えてくれない経済学)
慶大の、俗にいう「落研」にいた遠縁のN兄が、「客席のだれでもいい。一人選んで話を始める。しばらくするとその男がうなずき始める。池に石を投げた時に波紋が広がるように、男の右、左が頷き始める。そうなると、もう、しめたものだ」という話を、かれこれ50数年も前の学生時代にしていた。実は、3日の朝、落語家、立川談志さんの落語をNHK・BSでたっぷり聞く機会があった。そのとき、先の話を、ふと思い出した。彼は、敵も多かったが上方落語にも一目置いていた。落語協会に所属していなかった。多くのお弟子さんの中から力のある落語家が育って来ているという話が印象に残った。
2012年に向かって世界の政治家がどのように取り組むか。4日朝のこれまたNHK/BSだが、「ワールドWaveMorning」が精力的に紹介していた。台湾、1月14日、ギリシャ、2月19日、ロシア3月4日、フランス、4月22日、メキシコ、7月1日、中国、10月、アメリカ、11月6日、韓国、12月19日で、それぞれ国のリ―ダ―を決める選挙があると頭に紹介した。日本も総選挙が近いという話が日本国内だけだが正月番組で盛んに取り沙汰されていた。
中でも注目の一つはアメリカ、日本時間、4日午前10時からはじまるアイオワ州選挙を取り上げた。専門家が登場して「アイオワは誰が大統領候補になるかを予測する重要な選挙だが、そこで選ばれた人間が最後まで残ったケースは極めて少ない。」と話していた。スタートダッシュは、全てのレースで重要である。しかし、ゴールに誰が入るかは、別の話another storyであることを言いたかったのであろう。
アメリカ人の弁護士と昔、仕事柄、毎日、話す機会があった。彼らの口から先の「別の話」、another storyという言葉がしばしば出て来た。「もう一杯やるか?」という時もanother round?という言葉を使う。中学の英語の教科書にもone after another(次から次へ)と言う言葉が既に登場している。しかし、当時教えていただいた英語の先生からは、不幸にして、anotherという言葉のニュワンスまで教えてもらえなかった。
「ワールドWaveMorning」は欧州金融問題を「世界の扉」のコーナーで正面から取り上げた。英BBCも欧州金融危機をトップで扱い「2012年は散々な年だった。ユーロ圏の対立が深まり、メルケルもサルコジも年明け挨拶で「新年、おめでとう」とは行かなかった。メルケルは「ユーロ危機に結束して当る。ヨーロッパはさらに強くなる」と言い、サルコジは「暗闇の中に明かりを見出そう」と言うのが精いっぱいだった。「2012年には大きな期待は持てそうにない」と突き離した。
一方、「ワールドWaveMorning」(経済情報)は、3日のNY株式市場で、NYダウが昨年末比179ドル高、12,397ドルと好スタートを切ったと紹介した。当の番組に出演したみずほコーポレート銀行、荒井守氏は「中国の12月の景況感指数が50を超えたことを好感して、年初からアジア株が軒並み上げた、欧州株もドイツ株がリードして上げた。リスク許容度が高まった動きを受けて、ユーロが1ユーロ=1.30ドル台へ反発した。一方、ドル円相場は、1ドル=76.90円から同76.63円へドル安が進んだ。2012年は①ヨ―ロッパ債務危機、②アメリカ景気、③中国不動産市況がキーワードになる。ヨーロッパはドイツがどの程度譲歩出来るか、アメリカは調子は上向きだが不透明な要素を残す。追加の金融緩和QE3もありうる、中国はインフレ抑制から成長へどこまで踏み出すか、その意味で不動産の動きから目が離せないと総括していた。
3日、NY原油(WTI)はホルムズ海峡封鎖懸念もあり、バレル4.13ドル高、102.96ドル高、NY金相場はトロイオンス33.90ドル高、1,599.70ドルを付けた。2012年は金融緩和の年と、臭いを嗅いだ鳥(投機資金)が餌場に集まって来た気配濃厚である。(了)
慶大の、俗にいう「落研」にいた遠縁のN兄が、「客席のだれでもいい。一人選んで話を始める。しばらくするとその男がうなずき始める。池に石を投げた時に波紋が広がるように、男の右、左が頷き始める。そうなると、もう、しめたものだ」という話を、かれこれ50数年も前の学生時代にしていた。実は、3日の朝、落語家、立川談志さんの落語をNHK・BSでたっぷり聞く機会があった。そのとき、先の話を、ふと思い出した。彼は、敵も多かったが上方落語にも一目置いていた。落語協会に所属していなかった。多くのお弟子さんの中から力のある落語家が育って来ているという話が印象に残った。
2012年に向かって世界の政治家がどのように取り組むか。4日朝のこれまたNHK/BSだが、「ワールドWaveMorning」が精力的に紹介していた。台湾、1月14日、ギリシャ、2月19日、ロシア3月4日、フランス、4月22日、メキシコ、7月1日、中国、10月、アメリカ、11月6日、韓国、12月19日で、それぞれ国のリ―ダ―を決める選挙があると頭に紹介した。日本も総選挙が近いという話が日本国内だけだが正月番組で盛んに取り沙汰されていた。
中でも注目の一つはアメリカ、日本時間、4日午前10時からはじまるアイオワ州選挙を取り上げた。専門家が登場して「アイオワは誰が大統領候補になるかを予測する重要な選挙だが、そこで選ばれた人間が最後まで残ったケースは極めて少ない。」と話していた。スタートダッシュは、全てのレースで重要である。しかし、ゴールに誰が入るかは、別の話another storyであることを言いたかったのであろう。
アメリカ人の弁護士と昔、仕事柄、毎日、話す機会があった。彼らの口から先の「別の話」、another storyという言葉がしばしば出て来た。「もう一杯やるか?」という時もanother round?という言葉を使う。中学の英語の教科書にもone after another(次から次へ)と言う言葉が既に登場している。しかし、当時教えていただいた英語の先生からは、不幸にして、anotherという言葉のニュワンスまで教えてもらえなかった。
「ワールドWaveMorning」は欧州金融問題を「世界の扉」のコーナーで正面から取り上げた。英BBCも欧州金融危機をトップで扱い「2012年は散々な年だった。ユーロ圏の対立が深まり、メルケルもサルコジも年明け挨拶で「新年、おめでとう」とは行かなかった。メルケルは「ユーロ危機に結束して当る。ヨーロッパはさらに強くなる」と言い、サルコジは「暗闇の中に明かりを見出そう」と言うのが精いっぱいだった。「2012年には大きな期待は持てそうにない」と突き離した。
一方、「ワールドWaveMorning」(経済情報)は、3日のNY株式市場で、NYダウが昨年末比179ドル高、12,397ドルと好スタートを切ったと紹介した。当の番組に出演したみずほコーポレート銀行、荒井守氏は「中国の12月の景況感指数が50を超えたことを好感して、年初からアジア株が軒並み上げた、欧州株もドイツ株がリードして上げた。リスク許容度が高まった動きを受けて、ユーロが1ユーロ=1.30ドル台へ反発した。一方、ドル円相場は、1ドル=76.90円から同76.63円へドル安が進んだ。2012年は①ヨ―ロッパ債務危機、②アメリカ景気、③中国不動産市況がキーワードになる。ヨーロッパはドイツがどの程度譲歩出来るか、アメリカは調子は上向きだが不透明な要素を残す。追加の金融緩和QE3もありうる、中国はインフレ抑制から成長へどこまで踏み出すか、その意味で不動産の動きから目が離せないと総括していた。
3日、NY原油(WTI)はホルムズ海峡封鎖懸念もあり、バレル4.13ドル高、102.96ドル高、NY金相場はトロイオンス33.90ドル高、1,599.70ドルを付けた。2012年は金融緩和の年と、臭いを嗅いだ鳥(投機資金)が餌場に集まって来た気配濃厚である。(了)