ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

アメリカは米大統領選で何でもありになる、争点の雇用問題から目が離せない(学校で教えてくれない経済学)

2012-01-09 20:00:37 | 経済学
米国で12月雇用が20万増えたという先週末のニュ-スの余韻か、8日付けのCNBC AsiaMorning電子版で2本の記事を見つけた。7日付けのAP通信の「アメリカの雇用危機は数年続く」という記事と8日付けのNYタイムズ、MotokoRich記者の「民間企業:職業訓練、州政府:訓練支援」のタイトルの記事だった。

AP通信の記事によれば、「米国の雇用は2011年、164万増加した。2010年の増加は94万だった。しかし、リーマン・ショック直前の07~09年のそれは610万増だった。1300万の失業者の内560万が半年以上仕事がない。アメリカでは毎月、人口が10万人増えている。現在の増加ペースがそのまま続いたとしても少なくとも回復に2年半以上かかる。その間、苦悶の待機(agonizing wait)を強いられる。」と書いていた。「病院の事務職をしていたが、失職、ここ1年仕事がない。職さえあれば、いまは何でもいい」と37歳の男性は話した。「教育を受けた者と受けていない者で、歴然とした差が出て来ている」とエコノミスト、ParlKrugman氏は話したと紹介していた。

NYタイムズは、米キャタピラー社、ノースカロライナ工場での技術訓練風景から記事が始まる。同工場は400人の訓練に100万ドル(7,700万円)を投資した。同州内のカレッジの技術カリキュラムに430万ドル(3億3,000万円)拠出している。ただ、「技術は日進月歩で2~3年で陳腐化する。その程度の投資ではものにならない。」とある専門家は話している。ノースカロライナ州は繊維・インテリア製品の有数の産地であることもあり、失業率は10%と他洲より高い。州政府は繊維関係で200万ドル(1億5,400万円)予算化したが、失業者は5年で1,000人増えたと書いていた。

一方、ノースカロライナ州には、キャタピラー以外にもグリンスボロのホンダの航空機整備工場、シャーロットのシーメンスのガス・スチームタービン工場もある。州政府は、昨年6月末までの1年間で940万ドル予算化したが、4500の雇用が実現した。雇用一人当たりのコストは2000ドルで減税などのインセンティブに比べれば比較にならないほど少ないなどと指摘していた。ルイジアナ州、ウイスコンシン州などでも最近訓練センターを立ち上げた。政治家も最近ようやく職業訓練に関心を示し始めたとオレゴン州立大、GordonLafer教授は話したと紹介していた。

キャタピラーはCatapilarOnlinの名前で学校を立ち上げ、学費の一部を補助している。キャタピラー工場に隣接しているデル・コンピュータで3年働いていたが失職したDurantさんは、キャタピラー・オンライン講座を受けて、採用された。「給料はデルよりかなり落ちるが、気分がいいんだ。朝、目が覚めるだろう。仕事に行けるんだと思うとワクワクしてくる。20年前カレッジを中退した。2歳になる息子には絶対、卒業させるよ。」と話したと紹介していた。教育を受けた者と受けていない者とで歴然とした差が出て来ている。2本の記事は底流でつながっていることを教えている。

NYタイムズのこの日の記事はノースカロライナ州が舞台になっていた。40年前の古い話で恐縮だが、日米繊維交渉渦中、繊維の産地シャ―ロットもグリンスボロにも出かけた。ゴーストタウンになった元繊維協会の建物がいまも脳裏に焼き付いている。当時、米大統領候補者だったニクソンは、ノースカロライナとサウスカロライナ2州での繊維輸入規制公約が結果として僅差での大統領選勝利に結びついた歴史がある。

仕事をくれる政治家だけが当選する。その意味ではニクソンを責められない。12月のアメリカの雇用が20万増え、失業率が8.5%に下がったとオバマ大統領がまるで鬼の首をとったかのようにはしゃぐ姿がテレビ画面に写っていた。政治家はいずこも同じであるが、特にアメリカという国は大統領選になると何でもありに豹変するから怖い。今年の選挙は雇用問題が争点になっている。月々発表される雇用データから従来以上に目を離すことが出来ない。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする