♪Something's Coming
文献整理をしてたら、昨年の『週刊読書人』の6月4日号で、西部邁と長崎浩が「六〇年安保闘争五十年」という対談をしていたので、つい読んでしまう。教養小説みたいだね、彼らが安保闘争後の人生について言っていることは……。私は、もっと狂信的なものを読みたい気分である。とはいえ、彼らの安保闘争の気分というのは、♪Something's Coming♪ ではなく、ブントの書記長・島成郎が言ったという言葉──「ガソリン撒くぞ」といった感じだったのかもしれない。それに「うるせえ」と反駁した西部も、気分としては「ガソリン撒くぞ」なのだ。私は、「ジェーン・エア」の火事の場面を想い出した。