すっかり日本の国技ではなく、モンゴルの国技と化した大相撲である。負傷してもサッカーできる世界最強ドルジ氏、史上最強白鵬氏、カープファンハルマ氏、「向こうで大学の先生といっても、給料はよくない。」(←こっちもだよ~)と力説のカクリュウ氏を見たかんじであるが、とにかくいい体をしている。
遠藤とかいう、その名前は本当に相撲取りかいな、といういまいち弱い新人で盛り上がっているようではあかんが……、とにかく日本人力士の体格は、江戸時代の絵に出てくるそのまんまで、神様でなくてもついほほえんでしまうかんじなのである。体格だけみれば、ハワイの巨大な力士たちは日本人に太り方が似ていた気がする。(個人の印象です)
まあ、ロシア人だった大鵬にきゃあきゃあ言っていたあたりから、観客の目も神様からアイドルの裸を見る感じになってしまったかもしれず、そういえば、それ以前でも、芥川龍之介が、女は合法的に男性の半裸を見られるからいいじゃないかとか書いていた気がする。こういうわたくしでも、荒勢のファンだった時代が一番まともで、その後は、輪島とか隆の里とか千代の富士とかの方が、北の湖より好きだった気がするから大概である。まったく相撲を見なくなってから30年ぐらいたつので、まるっきりの独断であるが、今までの最強横綱は北の湖だと思う。おなかに力士を載っけて土俵際まで走ってたもん……が、このまえ、白鵬の相撲をニュースでみたんだが、たぶんこの人が史上最強の横綱であろう、と思った。(個人の変節です)
……というわけで、相撲はどうでもいいとして、わたくしが日本で流行らなくて残念と思っているのが、「ストロンゲストマンコンテスト」というやつである。ヨーロッパでは何日も中継する人気スポーツである。といっても、バスを綱で引っ張ったり、ひたすら巨大な玉を持ち上げたりするだけの、力持ち大会です。
http://ww5.tiki.ne.jp/~qyoshida/training/zakkityou/07strongest.htm
あっちの人たちは、これにローマの闘牛場的な何かとか、ヘラクレスとかを重ねてみるかも知れないから、相撲が神事なのとあまり変わらないのかも知れない。とにかく、肉体を肉体と感じることが日本では難しいことが、文学を閲してみても思うことであり、なおかつ、私の頭の中では、野口英世のお母さんとか、新田次郎の「強力伝」に出てくる歩荷の人を想起してしまうせいなのか、相撲などにも、なにか悲しさみたいなものを感じる今日頃である。