Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

半世紀前の記憶

2023年01月23日 22時03分22秒 | 読書

 二日ぶりに「奥の細道」の書き写しを行った。第19段「宮城野」である。名取川を渡って今の仙台城下に入ったところ。
 実はこの段も私は記憶にない。不思議である。仙台にある大学に入学してすぐのころにこの「奥の細道」を少なくとも一度通しで読んだことだけは記憶している。なのでこの仙台城下のことは特に念入りに読んだはずなのだが、一字一句思い出さなかった。添えられた句、「あやめ草足に結ん草鞋の緒」も記憶にない。
 半世紀以上の53年という時間、鮮明に覚えていることばかりだと思っているが、鮮明なこと以外はすっかり記憶から消し去られているということなのだろうか。入学した4月以降の鮮烈な記憶の影に隠れ、埋もれてしまったというふうに理解したほうがいいのだろうか。

 本日も首・肩の凝りがなかなか強烈。早めに入浴・就寝予定。昨晩は2時過ぎに凝りが痛くて目が覚めた。1時間半以上痛みで寝付けなかった。


本日から「現代秀歌」(永田和宏)

2023年01月23日 20時18分29秒 | 読書

   

 本日からちょっと寄り道をして読む本は「現代秀歌」(永田和宏、岩波新書)。予定していたのは「知っておきたい地球科学」(蒲田浩毅、岩波新書)だったが、少々予定変更。
 現代短歌、目をとおすのは久しぶりである。

 さて、先ほどベランダの窓を閉めようとガラス戸を開けてみた。号棟の合間から、冬の大三角(オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座シリウス、こいぬ座のプロキオン)、そしてオリオン座のリゲル、火星、木星が覗いていた。寒いのですぐにガラス戸を締め、部屋に戻った。
 恥ずかしながら寒さに弱い体と精神にしっかりとなってしまった。

 明日は夕方から川崎まで外出の予定。寒さが気になる。明日は天気予報とにらめっこしておきたい。


読了「シュルレアリスムとは何か」

2023年01月23日 19時29分40秒 | 読書

   

「ヨーロッパ人の思い描くユートピアはだいたいどれも、信じられないくらい似通っています。ユートピアは歴史を否定してしまうらしい。歴史のない空間をつくってしまうために時代を超えて同じ構想がうまれるのか、ヨーロッパ人とは深層意識のなかでいつも固定された理想都市を思い描きつづけた人々ではないのか、‥。」
「ヨーロッパでは古代以来、幾何学的な線を主体とした新都市が多い。自然の曲線にみちみちた桃源郷なんかとは違ってユートピアは常に直交線や円のような図形でなりたっている幾何学構造をもった都市です。‥別の空間的構造として自然を矯正する。理想都市では川はまっすぐでないといけない。」
「他方、時間のほうはひとことていえば時間がないんです。少なくとも歴史がない。理想の社会ができあがってしまえば、そのなかでは葛藤は起こらないと考えられている。」
「もうひとつは明るいということ。‥人間には闇が必要なんでしょうけれども、ユートピア人は闇がきらい。生活に闇の部分がなく、隅々まで監視が行きとどいているという意味では明るいし、古今のユートピアはどれも基本的に明るい社会なんです。」
「ユートピアは、画一的、衛生的、きれい、明るい。もう一つの特徴はにおいがないこと。さらに別の特徴は質素だということ。」
「プラトンには守るべきものがあった。ギリシアが既に高度に推しすすめていた理性というものです。知的生命体のあかし、それを象徴する幾何学的に構成された年。城壁外からの攻撃に備える堅固な空間。これは何をおそれていたのか、というと、アジアが侵入してくるのが怖かったんですね。広い意味でアジア的なものです。それは不定形であり、自然に近く、無限にそして旺盛に増殖し繁茂するものです。規則性、反復性がない。血みどろであり、豪奢でありエグゾティックであり、金銀財宝に飾られている。それによって最終的には侵されてゆく運命にあったにせよ、そういうものからいつまでも身を守るための防御壁としてつくられたのが、ユートピアという思想であったのではないか。」

 ここでアジア的というのは、エネルギッシュでたくましい生活者の築く混とんとした生活圏、活動圏としての都市である。市場であり居住空間であり、「理性」などとは無縁なところで繰り広げられる社会そのものの混とんとした「秩序」であろう。その内なる「反ユートピア的」な衝動を、現実に押し寄せてくる東方からの「文化」としてギリシアのひとびとは外在化したのではないだろうか。

「アジア的・自然的なものが東のほうから侵入してきて、ギリシアに生まれたアッチカ的・理性的な規範と対立しつつ入りまじっていたのがエーゲ海の文化です。」

 初めて巖谷國士の書物を読み終えた。なかなか大胆であるが、納得してしまう記述である。また機会があれば是非読んでみたい。シュルレアリスムというものの理解が深まったともいえないのが悲しいが、それでも身近に感じたことは確かである。ブルトンの「シュルレアリスム宣言」にもう一度挑戦したいとも思った。


モーツアルト ピアノ協奏曲第20・21番

2023年01月23日 10時56分44秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等

 本日の作業のお伴はモーツアルトのピアノ協奏曲の第20番と第21番。私は何と言ってもこの第20番の第1楽章と第2楽章、第21番の第2楽章が好みである。
 本日のようなどんよりとした冬の寒い日によく似合う。そして私にはとても丁寧だと思える内田光子のひとつひとつのピアノの音が気持ちを落ち着かせてくれる。

 本日は今のところ雨が降りそうもない。明け方に降る予報になった雪も降らなかった。降らないに越したことはないのだが。
 しかし十分に冷えている。室内も夜の間にずいぶんと冷えてしまった。