「藤原定家「明月記」の世界」を読了。歴史家としての「明月記」読解と定家の生涯を描いている。そのために購入したもの。定家の和歌の評価、後鳥羽上皇や家隆などの他の新古今和歌集の選者との和歌を介した確執、定家の撰になる「新勅撰集」の評価等々は残念ながら、というか当然にも言及はない。あるいは政治の激動期の知識人論的な言及もない。しかし、基本的な定家の生涯の把握には勉強になった。また、巻末の年表と系図は重宝しそうである。
参考文献の「人物研究、評伝」の項に、「藤原定家とその時代」(久保田淳、岩波書店)、「後鳥羽院」(丸谷才一、筑摩書房)も挙げてある。
ともに可能ならば読んでみたい。頭の片隅に記憶しておきたい。ただしいつ読めるのか、まったく自信はない。願望だけで終わってしまいそう。