黒くて長い髪のコが
細い路地をまっすぐに歩いている
過ぎていく1秒1秒のそれぞれが
なにかのメッセージを投げかけている
けれども
つかむそばからおっことしてしまう
子どもがあたりかまわず泣いているものだから
そのコはまっすぐな路地で
また迷ってしまった
2mほどのブロック塀に囲まれて
ここには友達はいないから
そのコはずっと黙っていなければならない
そしてもう一度
ベルが鳴ったら
歩き出さなければならない
黒くて細い道を
いつか
どこまでも続く
花畑で迷子になるために
空気に還り
土と化すために
流れていって
流れていって
無人島に流れ着く
リスが木の実をかじっていて
テンが目を光らせている
そのコは山や木に登り
鳥といっしょに眠りをむさぼる
夢の中では
机に向かって働いている
犬を散歩させたり
電車に乗ったり
怒ったり
怒られたり
花に水をあげたり
お金を使ったり
テレビを見て
泣いたり
笑ったりして
1991.7.21
細い路地をまっすぐに歩いている
過ぎていく1秒1秒のそれぞれが
なにかのメッセージを投げかけている
けれども
つかむそばからおっことしてしまう
子どもがあたりかまわず泣いているものだから
そのコはまっすぐな路地で
また迷ってしまった
2mほどのブロック塀に囲まれて
ここには友達はいないから
そのコはずっと黙っていなければならない
そしてもう一度
ベルが鳴ったら
歩き出さなければならない
黒くて細い道を
いつか
どこまでも続く
花畑で迷子になるために
空気に還り
土と化すために
流れていって
流れていって
無人島に流れ着く
リスが木の実をかじっていて
テンが目を光らせている
そのコは山や木に登り
鳥といっしょに眠りをむさぼる
夢の中では
机に向かって働いている
犬を散歩させたり
電車に乗ったり
怒ったり
怒られたり
花に水をあげたり
お金を使ったり
テレビを見て
泣いたり
笑ったりして
1991.7.21