メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

虹色の積み木

2007-09-01 20:56:22 | 日記
「暑さ寒さも彼岸まで」
母もよく「お盆が過ぎれば秋らしくなる」てゆう通り。
昼にはまだ蝉が鳴いているけれど、夕方になるとこんどは秋の虫が鳴いているのが聴こえる。
道路にはリアルな蝉の死骸が横たわっていてドキッとするけど/苦笑
生まれて、恋をして、次の世代を産んで、死骸となって土に還る。ひと夏の出来事。
迷う余地すらない。なんてシンプルで素晴らしいんだろう。

朝、いつもの時間に起きるとまだ薄暗くて、灯りをつけたまま準備をするようになったし、
会社から帰る頃にはもう陽が落ちかけて、夜が長くなってる。


先週は夏休みの人が多い関係で入力アイテム数も少なかったから、ひさびさコピー部隊に
戻ったり、ネットにアップした情報の誤字脱字などのチェックをしていた。
こちらも全然間に合ってなくて、入力しても誰も校正する人がいないからけっこー間違ってるんだよね
ラバーウッドでできた幼児用玩具シリーズの説明文をチェックしていて、
「虹色の積み木」て言葉がなんだかとっても響きがよくて耳に残った。

派遣仲間のコと楽しく喋りながらコピーをしていたら、そのコがちょっとした夏の思い出を
話してくれたんだけど、「子どもの頃、牛乳瓶に金魚を飼ってて、夜ひとりで眠るのが怖いから、
両親の寝室で寝起きをしていたら金魚のことをすっかり忘れていて、しばらくしてから見てみたら
水に溶けていなくなってたの~」って
動物も動物話も大好きなわたしは、それを聞いてあまりのショックに思わず涙目になってしまった(すでにトラウマになりかけているし
だって水に溶けて跡形もなく消えるなんてことあり得るだろうか?
わたしが思うに、金魚さんは死んでしまったかもしれないけれども、両親がそのコが悲しむと思って
きっと知らない間に出して土に還してあげたんじゃないのかな。ええ、そう信じたいんです/請



秋がすぐそばまで歩いてきている
ちょうどきみの隣りまで
なつかしくかなしい季節がすぐそこまで

その強大な熱と光がふたたび恋しくなるまで
太陽は地球をすこしはなれた軌道に乗る

~"no excuse" より抜粋

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『恋に落ちる確率』

2007-09-01 20:30:59 | 映画
『恋に落ちる確率』(2003)デンマーク
監督:クリストファー・ボー
出演:ニコライ・リー・カース、マリア・ボネヴィー、クリスター・ヘンリクソン ほか


「これは始まりか終わりか?
 見てみよう 始まりと終わり 愛と別れを
 言うまでもないことだが このすべては映画だ
 ただの作り話。それでも心は痛む」


ああでもない、こうでもないと店の中を歩いて迷いあぐねた甲斐があった。
近所の店は「ヨーロッパ」コーナーとしての括りしかなくて、てっきり仏映だと思って借りたら、
聴こえてきたのがフランス語じゃなかったことに実はちょっとがっかりしたんだけど、
そんなことは気にならなくなるくらい素晴らしい余韻の残る1本だった。
DVD特典を見たら、以前観てかなり感動した『しあわせな孤独』と同じ俳優なんだ。

最初に語り手を入れて物語の入り口に観客を招きいれる手法から始まり、ころころと変わる
場面展開を街の空撮に人物と場所を書き込んだりする演出が目新しくて、
ロマンスに時空を超えるSF要素を盛り込んでたりも面白い。
ふつうであっても男女の意思疎通は難しいのに、時間と空間の溝に入ってしまい
最初からやり直さなければならなくなる。
時空を超えるシーンもフィルムから転げ落ちるような男の映像がイイ。

最近は本編を超えるんじゃないかってくらいDVD特典映像が多くて、映画ファンとしては
本編以外の説明は余韻を壊してしまうまったくの蛇足じゃないかって思えるんだけど、
何を喋ってるのかが気になってついつい見てしまう/苦笑
出演者のインタビューで主演の男優は、若いのになかなか深い話をしてた。
最初そんなに好みじゃないタイプであっても、こうして映画を観ているうちに親しみが沸いて、
最終的には感情移入してしまって愛着すら感じてしまうからフシギw
監督はタイトルの重要性についても語ってる。中身の解釈は人それぞれで無制限でも、
タイトルからはある程度のイメージや制限を抱かせてしまう。邦題の付け方だってそうだろう。
たしかに今作の邦題はキャッチーで魅力があったけれど、実際観てみたら本作の持つもっと深い趣旨からちょっとズレがある気がするな。

story
妻をとても愛していながら多忙と表現不足のため、小説家の夫アウグストと妻のアイメの夫婦仲は徐々に離れている。
写真家のアレックスと恋人のシモーヌもまた、なにかとスレ違う日々。
アレックスは見知らぬ女性(アイメ)とバーで待ち合わせて別れを告げ、とても悲しかったという夢を見た。
その彼女と現実でも駅で出会い、バーで話しかけると。「私を覚えていないの?」といわれる。
再会する約束をして別れたアレックスは自宅に戻ると、自分の部屋がなくなっているばかりか
親友、恋人までもが自分のことなど知らないという。。

唯一記憶がつながっていると思われるアイメと共に束の間のデートを楽しむため、
2人が近くの緑鮮やかな公園を歩いたり、ダンスをしたりする何気ないシーンもステキだ。
サントラにシナトラが歌うスタンダードジャズ♪Night and Day がゆったりと流れて
物語をよりいっそう惹き立てている。
ちなみにサイトにあった“恋に落ちる確率”心理テストをやってみたら(これこそ蛇足だw)
「つり橋効果タイプ」だった。「つり橋にいるとドキドキする→ドキドキ感で恋に落ちやすくなる」という心理学の一説。まぁ、そんなこともあるかもねw


Night and Day/Cole Porter
Night and day, you are the one
Only you beneath the moon or under the sun
Whether near to me, or far
It's no matter darling where you are
I think of you
Day and Night

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『エヴァの匂い』

2007-09-01 15:33:23 | 映画
『エヴァの匂い』(1962)フランス
監督:ジョゼフ・ロージー 出演:ジャンヌ・モロー、スタンリー・ベイカー ほか

しばらく映画を観ない日が続くと、どうしても心がカサカサしてくる。
ので、とりあえず近所のビデオ屋に飛び込んだけれども、在庫が少ない中でモローを借りた。
以前観ただろうか?それでなくても記憶力が乏しくて(だからこうしてメモってるんだけど)
年々、昔観たかどうか分からなくなってきて困る。ま、何度観てもいっか。その時の年齢によって
同じ作品でも観方がずいぶんと違うこともあるし(同じことも多々あるが

モローの笑わない魅力で悪女役もとても似合うけど、この当時の悪女なんて今の時代に比べたら
まだまだ上品なものじゃないかな?少なくともストレートで正直だし。
しなやかな身のこなし、生活臭がまったくせず、自由気儘な猫みたいなエヴァ。
「1番好きなものは何?」「お金。」「じゃ、1番嫌いなものは?男以外で」「男以外なら。。年老いた女」
彼女の魅力にハマった男たちは資財を投げうってなんとか独占しようと必死だけれども、
もぬけの殻にされて捨てられるだけ。
新鋭作家で成り上がった小説家もまた魅力に参り、婚約者の献身的な愛情に甘えつつ、
友人の結婚式もすっぽかして、エヴァと超一流ホテルの部屋で過ごしたりして尽くすも
彼女から得られたのはただひと言「みじめな男ね」

実際、演出のせいもあるかもだけど、この小説家は俗物主義な惨めさばかりが目立つ。
婚約者も心の拠り所に利用しているだけだし、実際は兄が書いた小説を売った金で贅沢三昧をしていたり。
エヴァが好きなビリー・ホリーデイのレコードをしきりにかけているのがイイ。
音楽はミシェル・ルグラン。以前観た『ロシュフォールの恋人たち』なども手がけ、
映画音楽作曲家としてだけでなく、自らもジャズピアニストとしてかなり幅広く活躍した逸材みたい。
今作にもいろんな場面で耳慣れたジャズがオシャレに使われている。
エヴァが身につけている高級そうなファッションにも注目。部屋着とかも可愛い。


仏映をいろいろ紹介してるサイト発見。『うたかたの日々』(1968)も映画化されてるんだ~。
原作は超えられないとは思うけど観てみたい。

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