『LOST IN TRANSLATION』(2003)アメリカ/日本
監督:ソフィア・コッポラ
出演:ビル・マーレー、スカーレット・ヨハンソン ほか
代官山Air が舞台のひとつで使われていると知って興味を持って借りてみた。
言葉や文化の食い違いでスレ違う姿を描いていて、つまりコミュニケーションの喪失。
自分がここ数年ずっと考えさせられている1対1のコミュニケートの難しさの話だった。
ヴィム・ヴェンダースの『東京画』も思いおこさせる。外国人から見たフシギの国・ニッポン。
ゲーセンやパチンコ屋、カラオケ、怪しげなストリップバーなどなど。
ちょっぴり本来の姿とはズレてる部分も感じるけど、リアルに撮れてるんじゃないかな。
▼story
高額な酒のCM出演のため来日した有名俳優のボブは、ホテルに泊まって、
慣れない通訳のせいで戸惑いながら仕事に追われている。
結婚25年目の妻からはしょっちゅう電話があるが、改築する家の絨毯の色を
どうするかってことばかり。
人気カメラマンと結婚して2年目のシャーロットは、大学で哲学を学び、卒業して
そのまま今の生活になったため、夫の仕事中はひとりホテルに残されて、
都内近郊を歩くが、自分が何をしたいのか分からず悩んでいる。
そんな歳の違う2人が、眠れずに深夜のバーで出会い、いっしょに夜の都内で
遊ぶうちに心の交流が生まれる。
わたしもこうして眠れずにホテルの窓に腰掛けて、ずぅっと夜の街を眺めていたことがあったのを思い出した。
下を走る途切れない車が 延々と夜の時間をつなげている。
わたしはこのヒロインのように寂しいからという理由で電話をしたことは一度もないし、
誰でもいいから側にいてほしいと思ったこともない。
なにせ電話が苦手だから会いたいと思ったとしても自分からはかけないんだな。
「寂しがりやの甘えん坊」をアピールしてる人もなんだか苦手だ。
小さなウソをたくさんついて、一緒にいることもできるだろうけど、わたしはウソも苦手だ。
つまるところ、わたしは一人でいることに慣れてしまって、孤独感には強いんだな。
お酒と煙草と夜。
この3つで恋に落ちたカップルは世界でどれだけいるんだろう?70%?90%?
わたしはどれも苦手だから、その意味では三重苦みたいなもんだなw
欧米には便利なおやすみのキスも、日本じゃあり得ないしね。
視線を合わせてじっと見つめ合うだけでも、想いは十分伝わるだろう。
でも、それも苦手だ(じゃあ、四十苦だ/苦笑
きわめて日本人的だとも言えるな。
ボブは脱獄計画を立てたりして、日本がキライになったかのかと思いきや、
妻との電話で「これからはもっと健康的に生きたいんだ。毎日日本食が食べたい」
妻「じゃあ、ずっと東京にいればいいんじゃないの?」
『関係を続けるにはどうしたらいいか。この関係がずっと続くものとお互いに思いつづけることだ』って文を読んだことがある。
「もう東京に来たくないわ。これ以上楽しい思い出はできないもの」
ラストに流れたはっぴいえんどの♪風をあつめて がしんみりと心に沁みた。
雨あがりのような雲のかかった空がすがすがしい。
♪風をあつめて
風をあつめて 風をあつめて
青空を翔けたいんです
青空を
ビル・マーレーはあったかい役者だな。
どこに住もうと
なにに属そうと
誰といようと
わたしたちはいまだ見知らぬ他人だ
けれども
わたしはあなたを見つめながら
話しかけることができるだろう
そして夜が更けたら
いっしょに踊ろう
あたたかいメロディにあわせて
あたたかい指と指をからませて
-totally strangers- '07.9.29 草稿
監督:ソフィア・コッポラ
出演:ビル・マーレー、スカーレット・ヨハンソン ほか
代官山Air が舞台のひとつで使われていると知って興味を持って借りてみた。
言葉や文化の食い違いでスレ違う姿を描いていて、つまりコミュニケーションの喪失。
自分がここ数年ずっと考えさせられている1対1のコミュニケートの難しさの話だった。
ヴィム・ヴェンダースの『東京画』も思いおこさせる。外国人から見たフシギの国・ニッポン。
ゲーセンやパチンコ屋、カラオケ、怪しげなストリップバーなどなど。
ちょっぴり本来の姿とはズレてる部分も感じるけど、リアルに撮れてるんじゃないかな。
▼story
高額な酒のCM出演のため来日した有名俳優のボブは、ホテルに泊まって、
慣れない通訳のせいで戸惑いながら仕事に追われている。
結婚25年目の妻からはしょっちゅう電話があるが、改築する家の絨毯の色を
どうするかってことばかり。
人気カメラマンと結婚して2年目のシャーロットは、大学で哲学を学び、卒業して
そのまま今の生活になったため、夫の仕事中はひとりホテルに残されて、
都内近郊を歩くが、自分が何をしたいのか分からず悩んでいる。
そんな歳の違う2人が、眠れずに深夜のバーで出会い、いっしょに夜の都内で
遊ぶうちに心の交流が生まれる。
わたしもこうして眠れずにホテルの窓に腰掛けて、ずぅっと夜の街を眺めていたことがあったのを思い出した。
下を走る途切れない車が 延々と夜の時間をつなげている。
わたしはこのヒロインのように寂しいからという理由で電話をしたことは一度もないし、
誰でもいいから側にいてほしいと思ったこともない。
なにせ電話が苦手だから会いたいと思ったとしても自分からはかけないんだな。
「寂しがりやの甘えん坊」をアピールしてる人もなんだか苦手だ。
小さなウソをたくさんついて、一緒にいることもできるだろうけど、わたしはウソも苦手だ。
つまるところ、わたしは一人でいることに慣れてしまって、孤独感には強いんだな。
お酒と煙草と夜。
この3つで恋に落ちたカップルは世界でどれだけいるんだろう?70%?90%?
わたしはどれも苦手だから、その意味では三重苦みたいなもんだなw
欧米には便利なおやすみのキスも、日本じゃあり得ないしね。
視線を合わせてじっと見つめ合うだけでも、想いは十分伝わるだろう。
でも、それも苦手だ(じゃあ、四十苦だ/苦笑
きわめて日本人的だとも言えるな。
ボブは脱獄計画を立てたりして、日本がキライになったかのかと思いきや、
妻との電話で「これからはもっと健康的に生きたいんだ。毎日日本食が食べたい」
妻「じゃあ、ずっと東京にいればいいんじゃないの?」
『関係を続けるにはどうしたらいいか。この関係がずっと続くものとお互いに思いつづけることだ』って文を読んだことがある。
「もう東京に来たくないわ。これ以上楽しい思い出はできないもの」
ラストに流れたはっぴいえんどの♪風をあつめて がしんみりと心に沁みた。
雨あがりのような雲のかかった空がすがすがしい。
♪風をあつめて
風をあつめて 風をあつめて
青空を翔けたいんです
青空を
ビル・マーレーはあったかい役者だな。
どこに住もうと
なにに属そうと
誰といようと
わたしたちはいまだ見知らぬ他人だ
けれども
わたしはあなたを見つめながら
話しかけることができるだろう
そして夜が更けたら
いっしょに踊ろう
あたたかいメロディにあわせて
あたたかい指と指をからませて
-totally strangers- '07.9.29 草稿